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2024-07-10

【事例付き】人事ポリシーとは?自社に最適な内容で作成するポイントを解説

(株)uloqo 代表取締役 関川 懸介

この記事の監修者:(株)uloqo 代表取締役 関川 懸介

組織と人との関わりのビジョンを示した人事ポリシーの策定をされていますか?

・人事ポリシーの作成方法がわからない
・作る際のポイントがわからずなかなかうまく作成できない
・実際の事例を参考にしたい
など様々な疑問や要望を持つ担当者様も多いのではないでしょうか。
そこで、事例はもちろん、メリットや作り方・ポイントなど解説します。
ぜひ参考にしてみてください!

人事ポリシーとは?

人事ポリシーとは、会社や経営者の「人材」に対する考え方を示したもので、価値観や哲学に根ざした人事方針を表しています。これは、人事に関する様々な決定を行う際の土台であり、人事制度の核となるルールとなります。

具体的には、以下5つのような要素が含まれます。

・採用基準
・昇進基準
・評価方法
・給与体系
・労働環境の方針

企業のホームページに掲載されていることが多く、誰でも閲覧することができます。これを読むことで、その企業がどのような人材を求めているのか、どのような評価制度を持っているのかを知ることができます。

人事ポリシーの必要性

人事ポリシーが必要な理由は主に3つあります。
・求職者に対するアピールになる
・株主・顧客に対するアピールになる
・人事制度の指針となる
それぞれについて詳しく解説します。

求職者に対するアピールになる

人事ポリシーを通じて、企業がどのような人材を求めているかを伝えることができます。
求職者側は、会社が社員をどのように扱い、どのような理念に基づいて人事評価を行うのかを確認できます。それを参考にして志望する会社を選ぶこともあります。
求める人物像を明確にすることで、求職者とのミスマッチを防ぐのに役立ちます。

株主・顧客に対するアピールになる

人事ポリシーを通じて、株主・顧客へのブランディングにも繋がります。企業がどのような理念を持っているかを知ることができ、会社のイメージ形成に役立ちます。
従業員の能力開発やモチベーション向上をどのような人事施策で実現するのかを示すことで、会社の成長戦略をサポートするものとなります。数値目標とともに人事ポリシーを明確にすることで、経営戦略に対する信頼感を高めるだけでなく、株主からの投資を促すことも期待できます。

人事制度の指針となる

人事制度を整備する際には、まず人事ポリシーを基盤として組み立てます。そのため、人事ポリシーは人事制度の指針となります。人事制度と人事ポリシーを照らし合わせることで、一貫性のある制度設計が可能になります。

人事ポリシーを作成するメリット

人事ポリシーを作成するメリットは主に以下4つあります。

・人事制度・社内教育の指針が明確になる
・公平な人事評価に繋がる
・ステークホルダーへ会社の指針を示せる
・求める人材を確保しやすくなる

それぞれについて詳しく解説します。

人事制度・社内教育の指針が明確になる

人事ポリシーを策定することで、人事制度や社内教育の指針が明確になります。人事ポリシーがないと、一貫した評価基準を確立できず、適切な人事評価制度を構築することが困難になります。社員にとっては、会社が求める能力や行動が明確になることで、自分の評価向上に向けた努力がしやすくなります。その結果、キャリアの成長や昇給につながり、社員のモチベーションの向上に繋がります。

公平な人事評価に繋がる

人事ポリシーを策定することで、社内の評価基準が明確になります。一貫性のある基準ができ、公平な人事評価に繋がります。さらに、公平な人事評価は企業と社員の間の信頼関係を強化する重要な要素となります。信頼関係が構築されることで、社員は安心して働ける環境が整い、生産性の向上にも寄与します。社内で評価基準にばらつきがないように、人事ポリシーを固めておきましょう。

ステークホルダーに対し会社の指針を示せる

人事ポリシーを策定することで、ステークホルダーに対し会社の指針を示すことが可能になります。ステークホルダーとは企業のあらゆる利害関係者を示します。その対象は株主、経営者、従業員、取引先、行政、地域社会も含まれ、広範囲に及びます。
また、人事ポリシーを公にすることで、企業の誠実さや信頼性が高まることが期待されます。

求める人材を確保できる

人事ポリシーを策定することで、採用担当者や求職者に対して求める人材像を明確に示せます。採用担当者は会社がどのような人材を必要としているのかを把握し、適切な人材を採用することができます。人事ポリシーが公開されていれば、どのように評価するのかなどについて、採用担当者も求職者も参照することができ、採用過程でのミスマッチを防ぐことができます。ホームページに人事ポリシーを掲載することで、採用活動を強化する際に役立つでしょう。

人事ポリシー作成の手順

人事ポリシーを作成する手順を3ステップに分けて解説します。

①企業理念や戦略を決める
②企業が求める人物像を明確にする
③人事評価制度を作る

企業理念や戦略を決める

まずは、会社が目指す方向性を明確にします。必要な要素を整理しておくことで、理念や戦略の策定がスムーズになります。
将来の展望を考慮したビジョンを確立することが重要です。短期的な目標に囚われずに、長期的なビジョンを描きましょう。一貫性のあるポリシーを構築することができます。戦略を明確にすると、求める人材像や評価制度も明確になります。事業戦略と調和させながら、一貫性のある企業理念と戦略を確立していきましょう。

企業が求める人物像を明確にする

次に、企業が求める人物像を具体的に策定します。会社が重視する人物像に欠かせない要素を明確に抽出します。人材採用においても人事ポリシーを活用する場合は、「必要なスキル」「望ましい行動」などを具体的な項目に分解し、定義することが有効です。

人事評価制度を作る

会社は社員に期待する行動や能力を明確に定めます。人事評価は企業と社員の間の信頼関係を強化する重要な要素になります。信頼関係が構築されることで、社員は安心して働ける環境が整い、生産性の向上にも寄与します。
具体的には、どのような行動や成果を評価対象とするかを明確にします。目標達成時の昇給や待遇についても具体的に明示することで、わかりやすくなるでしょう。数値を用いることで客観性が増し、社員のモチベーションに貢献します。これらの評価基準を明確にし、評価制度に反映させることが重要です。

人事ポリシー作成時におけるポイント

人事ポリシーを作成する際のポイントは主に以下3つあります。

・将来を見据えたものにする
・多言語の対応を可能にする
・評価・報酬制度を明確にする

それぞれについて詳しく解説します。

将来を見据えたものにする

人事ポリシーは将来を見据えたものにする必要があります。将来展望の低い人事ポリシーでは、他者から共感を得にくくなります。その結果、求職者やステークホルダーに対して魅力的なアピールができなくなってしまいます。会社の将来像を明確にするために、ポリシー作成時にイメージを具体化させましょう。
さらに、人事ポリシーは一度作成した後も定期的に見直す必要があります。会社の成長段階や状況に応じて適宜調整し、効果的なポリシーを維持・発展させていきましょう。

多言語の対応を可能にする

近年では、海外市場への情報発信が一般的になっています。グローバルな人材を採用するためには、多言語対応が必須条件です。ステークホルダーに対しても、グローバルな視野と対応力をアピールすることができます。英語版だけでなく、中国語など主要な言語にも対応すると良いでしょう。社外での評価を向上させるために、積極的に多言語で情報を発信しましょう。

評価・報酬制度を明確にする

評価や報酬の明確な設定は、人事制度を整備する上で重要な前提です。評価・報酬制度が明確になることで、社員のモチベーション向上が期待できます。さらに生産性の向上や事業の拡大に繋がるでしょう。
また、定期的な見直しが必要です。社員の意見を取り入れて改善を進めましょう。

【6選】人事ポリシーの事例

大企業から中小企業まで、人事ポリシーについて実際の事例を紹介します。
それぞれの企業の人事ポリシーにおける特徴なども踏まえて、詳しく解説します。

株式会社リクルート


リクルートは「基本理念」「目指す世界観」「果たす役割」「大切にする価値観」について記載されています。社長からステークホルダーへのメッセージもあり、会社の指針が明確に示されています。

株式会社ユニクロ


「ステートメント」「ミッション」「価値観」「行動規範」の4つに分けて企業理念を伝えています。また、各国語版全文も記載されており、グローバル人材を積極的に採用していることが分かります。

株式会社ソフトバンク


ソフトバンクが掲げる人事ポリシーは短くまとまっており、簡単な言葉で簡潔に他社に伝わります。はじめにまとめを記載し、その後に「会社全体として目指す目標」「どのような人を評価するか」「成果に正しく報いる報酬」というような流れになっています。

「実力に応じた機会を提供し、活躍に応じた成果に向き合い正しく応える」と記載されており、社員のやる気を出すような人事ポリシーになっています。

株式会社ノバレーゼ


ノバレーゼは、企業理念の他に文化・社訓も記載されており、求める人物像がより明確であることが読み取れます。社名の由来から、他社が共感できるようなミッションであることにも注目できます。

株式会社タイミー


「01理想ファースト」「02オールスクラム」「03バトンつなぎ」「04やっていき」の4ステップで行動指針を示しています。タイミーでは、一人ひとりが自分なりの強い情熱を持ち、ビジョン・ミッションの実現に向けてチーム全員が成長する組織を目指しています。
したがって、個人の成長、組織の成長を重要視していることが読み取れます。

ハードロック工業株式会社


理念行動の中で「SUJ−K」を最も重視しています。

S:素直
U:受け入れ
J:実行
K:感謝

お客様からの難しい要求も素直(S)に受け入れ(U)、まず検討し解決することを真摯に実行(J)する。そして、その要求自体に感謝(K)して対応することが基本の考え方としています。
また、「タライの水」ということわざを参考にして、誰にでも分かりやすく理念を伝えることに成功しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は人事ポリシーについて作成の手順やポイント、実例を紹介しました。
人事ポリシーを策定することで、会社のイメージを向上させ、「人材」に関する問題を解決しましょう。

(株)uloqo 代表取締役 関川 懸介
この記事の監修者:(株)uloqo 代表取締役 関川 懸介

2016年4月、(株)uloqoを設立。
代表取締役として各領域を管掌。現在も大規模案件のディレクターとして、採用・エンジニア採用・人事評価制度策定支援等に従事。
累計300社以上の支援実績を誇る。大手新聞社やテスト支援会社、フリマアプリ企業をはじめとしたエンタープライズ企業に対する支援実績が中心。採用企画・スカウト・採用広報・組織開発全般・デジタル人材全般に強みを持つ。

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