採用が難しくなっている中で採用KPIの重要性は増してきています。しかしながら、
という方も多くいらっしゃるかと思います。そこで本記事では、
等を解説します。
採用KPIとは何か?を解説します。
採用活動の大きな目標は、「必要な人材を計画通りに採用する」ことです。この目標を達成するために、いくつかのKPI(重要業績評価指標)を設定します。
具体的な採用手順やスケジュールに関する指標を設けることで、採用の方針を明確にし、効率的な採用活動を進めることができます。
また、目標を達成できなかった場合には、どのKPIが達成できなかったのかを分析することで、問題点を特定できます。これにより、翌年以降の採用活動の改善に役立てることができます。
採用KPIをより具体的に理解するために、一般的に設定される採用KPIの例をいくつか紹介します。
これらのKPIに基準を設けることで、経験や勘に頼らず、効率的な採用活動が可能になります。
採用KPIが重要である理由を詳しく解説します。主に4点あります。
KPIを設定することで、採用活動を客観的に評価できます。もしKGI(重要目標達成指標)のみを設定し、KPIを設定していない場合、KGIを達成できない理由を特定するのが難しくなります。例えば、「5人採用」をKGIとした場合、その達成が難しい理由として以下のような要因が考えられます。
これらの要因を具体的に分析するためには、KPIの設定が不可欠です。KPIに基づいた数値による定量的な評価を行うことで、どの部分に問題があるのかを正確に特定し、具体的な改善策を講じることができます。
KPIを設定することで、採用活動における重要な要素を数値化し、進捗状況を把握しやすくなります。目標と現状のギャップが明確になり、問題点を早期に発見することが可能です。これにより、チーム内での情報共有がスムーズになり、迅速な対応が可能になります。
採用KPIを設定することで、採用計画の精度が向上します。各プロセスにおけるKPIを明確にすることで、必要な作業量やリソースを具体的に把握できます。採用のプロセスは「選考フロー」と「応募入口」の2軸で分けることができます。
選考フロー
応募入口
KPIが設定されていないと、各プロセスにおいて過剰な業務や不足する業務が発生する可能性があります。これにより、採用計画の精度が低下するリスクがあります。適切なKPIの設定により、各プロセスの業務量を最適化し、効率的な採用活動が可能になります。
採用KPIを設定することで、採用担当者や関係者の役割が明確になります。採用活動には多くの関係者が関与しており、それぞれが特定の役割を果たしています。KPIを設定することで、各プロセスの担当者の役割や責任を明確にし、全員が共通の目標に向かって効率的に動けるようになります。これにより、KPI達成に向けて各々が自主的に行動しやすくなり、全体のパフォーマンスが向上します。
採用KPIは、採用活動の効率化と質の向上に不可欠なツールです。これを活用することで、採用活動をより戦略的かつ効果的に進めることができます。
採用KPIの立て方を解説します。以下の手順で設定します。
まずは、採用活動における最終目標である採用KGIを設定します。採用KGIでは採用人数が重視されがちですが、採用人数以外の指標も含めることが可能です。例えば、期間や予算、そして人材の質もKGIに含めることができます。
例:
さらに、自社に必要な人材のスキルや経験を明確にし、その人材が採用されたかどうかをKGIに含めることも重要です。例えば、特定の技術スキルを持つ人材を5名採用することをKGIに設定することも考えられます。
KGIを設定した後は、採用チャネルごとの採用プロセスを明確にします。採用チャネルには、求人媒体、エージェント、ダイレクトスカウトなどさまざまな種類があるため、それぞれに対応した採用フローを決定する必要があります。また、各チャネルの応募者の志望度や属性も異なるため、チャネルごとの採用目標人数を設定することが重要です。
例
各採用チャネルごとの採用プロセスが明確になったら、次に選考フローにおける歩留まり率を設定します。歩留まり率とは、各選考ステップに進んだ人数の割合を示す指標であり、「選考通過数 ÷ 選考対象数 × 100」で算出します。
歩留まり率の算出方法:
歩留まり率は、採用チャネルごとの特徴を踏まえて設定する必要があります。例えば、エージェント経由の候補者は高い志望度を持つ場合が多いので、歩留まり率が高く設定されることが一般的です。
歩留まり率を設定したら、いよいよKPIを設定します。KPIは、KGIを基にして具体的な数値目標を設定します。まず、採用チャネルごとの採用目標人数を決定し、それに基づいて各選考プロセスごとの歩留まり率を使って逆算します。
例:
この場合、内定承諾率が50%とすると、内定者数は8人に設定する必要があります。このようにして、各チャネルの各選考プロセスごとの歩留まり率を基にKPIを設定します。
具体的なKPI設定例:
これにより、KGI達成に向けて具体的なアクションプランが明確になり、効率的な採用活動を進めることができます。
KPI設定のポイントは4つあります。
KPIを設定する際は、計測可能な指標を選ぶことが重要です。計測可能なKPIは、客観的に課題を発見しやすくし、採用活動の進捗状況を可視化するための基盤となります。計測可能でなければ、課題の発見や進捗状況の共有が円滑に行えず、KPIの利点を活かすことができません。具体的な数値やデータに基づいて評価できる指標を選びましょう。
KPIは必ずKGI(重要目標達成指標)を起点にして設定する必要があります。KPIはKGIの達成に向けた進捗度を示す指標であるため、KGIと結びついていないKPIは無意味です。KGIに関連しないKPIを達成しても、最終的な目標に貢献しないため、人員や時間を無駄にしてしまうリスクがあります。したがって、KGIとKPIをしっかりと結びつけることが必要です。
KPIを設定する際は、現実的で達成可能なものにすることが重要です。過度に難易度の高いKPIを設定すると、採用担当者の負担が重くなりすぎ、モチベーションが低下する恐れがあります。また、業務の質も低下する可能性があります。そのため、達成可能なKPIを設定し、担当者が無理なく取り組めるようにしましょう。
歩留まり率は、採用プロセスの各段階における成功率を示す指標です。これにより、特定の段階での候補者の減少や進行状況を評価し、採用活動の効率性や効果を測ることができます。各段階の歩留まり率を分析することで、どの段階で候補者が多く離脱しているか、または進行しているかを把握できます。これにより、採用活動の効率を向上させるために、どの段階でどのような具体的な施策を講じるべきかを考えやすくなります。
具体例
これらの指標を基にして、各段階での歩留まり率を設定し、効率的な採用プロセスを構築しましょう。
以上のポイントを押さえて採用KPIを設定することで、採用活動の効率化と質の向上が期待できます。
採用KPIを活用する際のポイントを解説します。
KPIの進捗状況を採用活動中にリアルタイムで管理することが重要です。活動が終了してから評価するのでは、次回以降にしか反映されないため、現在の採用活動には影響を与えません。定期的にKPIの達成率をチェックすることで、現状の課題を早期に発見し、迅速に対応することができます。これにより、採用活動の質を向上させることができます。
進捗状況を定期的に確認することで、問題が見つかった場合に迅速に対応できます。問題の原因を特定し、解決策を検討し、すぐに実行に移すことが重要です。例えば、応募者数が予想より少ない場合は、求人広告の内容を見直す、採用チャネルを増やすなどの対策を速やかに講じることが必要です。迅速な対応により、採用活動の成功率を高めることができます。
KPIを設定したら終わりではなく、運用中も定期的に見直しを行い、改善に努めることが重要です。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)の『PDCAサイクル』を回し続けることで、採用活動の質を継続的に向上させることができます。
企業によっては年間や半期ごとの目標によってミッションや業務内容が変わるケースがあるため、ジョブディスクリプションは実務に合わせて常に最新の状態にアップデートしておく必要があります。また、社会の変化によって必要とされるスキルや資格が変わることもあれば、事業の縮小や拡大、組織変更などがある場合もあります。そういった変化に対応するためにも、ジョブディスクリプションの内容を定期的に見直し、適切に更新することが重要です。
組織の生産性を向上させ、人材開発の効果を最大化するためにも、PDCAサイクルを効果的に回し、ジョブディスクリプションの改善を続けることが求められます。
採用KPIを活用し、採用を成功させた企業の事例をいくつか紹介します。
株式会社ユーザーベースは、SPEEDAやNewsPicksなどのサービスを提供する企業です。同社は、求職者に入社後のイメージを伝えることに課題を抱えていました。そこで、スカウトメールの返信率をKPIとして設定し、求職者に企業のイメージをアピールする取り組みを強化しました。
具体的には、スカウトメールにポジションに関する記事コンテンツのURLを添付するというアクションを実行し、結果としてスカウトメールの返信率を大幅に向上させることに成功しました。
https://logmi.jp/business/articles/324042
https://tsukuruba.com/company/outline/
株式会社ツクルバは、「『場の発明』を通じて欲しい未来をつくる」というミッションを掲げ、中古・リノベーション住宅の流通プラットフォームを提供しています。同社は、ダイレクトリクルーティングの採用チャネルにおいて、面談参加者数をKPIとして設定しました。
スカウト送信数をKPIとするのではなく、実際に面談に参加した人数をKPIとすることで、スカウト送信自体が目的にならないように工夫しました。スカウト送信相手に対して、一人一人に熱意のこもったメッセージを送信することが成功の要因となっています。
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/eventreport_20210324/
アソビュー株式会社は、「生きるに、遊びを。」をミッションに掲げ、「衣・食・住」に「遊」の要素を加えることを目指している企業です。主に「遊び予約サイト」を運営しています。同社では、「一次面談数」をKPIとして設定しました。
一次面談の数を増やすためには、面談担当者が多く必要になるため、各部署からの協力を仰ぐために採用活動の情報開示を積極的に行い、社内コミュニケーションを密に取りました。また、各KPIに関するデータを分析し、どの採用フェーズに問題があるのかを検証し、改善のアクションを取っていました。
KPIを活用してPDCAサイクルをしっかりと回したことが、同社の採用成功の要因となりました。
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/award2022_bronze/
いかがでしたでしょうか。
本記事では
という悩みを抱えている方に向けて
等を解説しました。ぜひ参考にしてください。