株式会社uloqo 【2024】人事評価制度を見直すメリットは?手法やポイントを解説 | 株式会社uloqo

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2024-07-26

【2024】人事評価制度を見直すメリットは?手法やポイントを解説

(株)uloqo 代表取締役 関川 懸介

この記事の監修者:(株)uloqo 代表取締役 関川 懸介

人事評価制度とは、組織内で従業員の業績や行動を評価し、それに基づいて報酬や昇進、トレーニングの提供などを決定するための制度のことを言います。
人事評価制度の見直しをすることで、モチベーションの向上や信頼関係の構築が期待されます。
一方で、評価結果が不公平だと感じられると、社員のモチベーションが低下し、組織に対する不信感が増大してしまうなどの問題点もあります。そのため、今回は想定される課題や人事評価制度を運用する際に見直すべきポイント、見直し手法についてお伝えします。

人事評価制度とは

人事評価制度とは、組織内で従業員の業績や行動を評価し、それに基づいて報酬や昇進、トレーニングの提供などを決定するための制度のことを言います。
公平かつ透明な評価を通じて、組織の目標達成と従業員の成長を促進します。
次に、人事評価方法、人事評価制度の項目について説明します。

3つの人事評価方法

人事評価には「目標管理制度(MBO)」「コンピテンシー評価」「360度評価」以上3つの種類があります。

目標管理制度(MBO)

目標管理制度(MBO)は、個人またはチームごとに目標を設定し、その達成度に基づいて評価を行う方法です。
ピーター・ドラッカー氏が提唱したこの制度は、組織の目標と個人の目標を連動させることで、効果的なパフォーマンス管理を実現します。

コンピテンシー評価

コンピテンシー評価は、従業員のスキルや能力を評価する方法で、職務遂行に必要な知識、スキル、行動特性に基づいて評価を行います。

この評価方法では、「業務を効率的に構築できる能力」「傾聴能力」「親密なコミュニケーション能力」など評価項目が具体的な行動特性が評価の基準となります。これにより、評価基準が明確になり、社員の能力や適性を客観的で公正に評価することが容易になります。また、社員が目標に向けて積極的に取り組みやすいという特性があります。

360度評価

360度評価は、従業員のパフォーマンスを複数の視点から評価する方法です。上司、同僚、部下、自己評価など、多方面からのフィードバックを集めて評価します。この方法により、さまざまな視点から対象者の特性を把握でき、評価の公平性や客観性を確保することも期待されます。

人事評価制度の項目

人事評価制度には「業績評価」「能力評価」「情意評価」の3種類の評価項目があります。

業績評価

業績評価は、従業員が業務で達成した成果や目標に基づいて評価するもので、具体的には、達成度合いを数値化し、評価します。

能力評価

能力評価は、従業員が持つスキルや能力を測定し、業務遂行に必要な能力や潜在能力を評価します。

情意評価

情意評価は、従業員の仕事に対する態度や行動、意欲を評価します。具体的には、担当業務に対する意欲や責任感、組織協力の姿勢などが評価されます。

人事評価制度を見直す目的

人事評価制度を見直す目的は主に3つあります。

・適切な待遇の処置
・適切な人材配置
・人材育成の促進

それぞれについて詳しく解説します。

適切な待遇の処置

適切な待遇を導入することで、評価が公正であることが確保され、社員間での不公平感が減少します。社員は自分の努力や成果が正当に評価されていると感じ、モチベーションの向上にも繋がります。社員が評価結果に納得しやすくなるように、評価基準や待遇の決定プロセスを明確にしましょう。

適切な人材配置

見直しにより評価基準が明確化され、社員一人ひとりのスキルや強み、弱みが正確に把握できるようになります。 各ポジションに必要なスキルセットが明確化され、社員のスキルとポジションの要求がより良くマッチングされます。そのため、適切な人材を適所に配置することが可能になります。

また、社員が自分のキャリアパスを明確に描けるようになり、目標に向かって意欲的に働ける環境が整います。これにより、モチベーションが向上し、企業全体の生産性も高まります。

人材育成の促進

見直しの際には、自社が求める「人材像」の他に、「従業員をどう育成していくか」を確認するとよいでしょう。
見直しによってフィードバックの質が向上し、社員は自分の成長ポイントを明確に理解できるようになります。
適切な評価を通じて、社員に成長の機会や明確なキャリアアップが提供され、長期的な人材育成が可能になります。

見直すメリット

人事評価制度を見直す際のメリットは主に4つあります。

・従業員のモチベーションアップ
・企業と従業員の信頼関係アップ
・自社の価値観にあった人材育成の促進
・企業全体の業績アップ

それぞれについて詳しく解説します。

従業員のモチベーションアップ

社員は自分の努力や成果が正当に評価されていると感じ、モチベーションが向上します。
公正な評価や処遇があることで、社員は自己成長のために努力を続ける意欲が湧き、組織全体のパフォーマンスが向上するでしょう。

企業と従業員の信頼関係アップ

従業員の意見を積極的に取り入れることで、経営陣と従業員の間に信頼関係が生まれます。従業員は自分たちの意見が評価制度に反映されると感じることで、企業への信頼が高まります。さらに、信頼関係がアップすることで、組織全体の成長と社員一人ひとりの成長に寄与します。

自社の価値観にあった人材育成の促進

先ほど述べた通り、適切な人事評価制度によって自社の価値観にあった人材育成の促進が可能になります。見直しによってフィードバックの質が向上し、社員は自分の成長ポイントを明確に理解できるようになります。
適切な評価を通じて、社員に成長の機会や明確なキャリアアップが提供され、長期的な人材育成が可能になるでしょう。

さらに、自社の求める人材像を行動特性や価値観として明文化し、評価項目に取り入れることで、組織全体で共通の価値観や目標を共有しやすくなり、社員の意識が統一されます。

企業全体の業績アップ

人事評価制度を適切に見直すことで、企業全体の業績向上が期待できます。明確な目標設定、モチベーションの向上、適材適所の人材配置、チームワークの強化、組織文化の浸透、生産性の向上などが実現され、結果として企業全体の業績アップに繋がります。

見直すデメリット

人事評価制度を見直す際には、メリットがある一方で、デメリットもあります。これらのデメリットを考慮して人事評価制度を見直す必要があります。
人事評価制度を見直すデメリットは主に2つあります。

・従業員が納得のいく評価制度を作る必要がある
・見直し時にコストがかかる

それぞれについて詳しく解説します。

従業員が納得のいく評価制度を作る必要がある

評価制度を見直す際、実際の評価が公正で透明でなければ従業員の信頼を得ることは難しいです。評価基準を明確にし、主観的な判断が入り込まないようにしましょう。評価者のトレーニングや複数の評価者による評価、自己評価との比較などが有効です。
また、フィードバックの機会を設けることで、従業員も自分の評価について理解しやすくなります。

見直し時にコストがかかる

人事評価制度の見直しには、多くの運用コストがかかります。システムを導入する場合には、導入する際に時間的・金銭的コストがかかります。
システム化によって、評価基準の設定や評価結果の集計、フィードバックの提供が自動化されるため、手作業によるミスや偏りを減らすことができます。このようにメリットが多く、長期的には効率化とコスト削減が期待できます。
また、システムを導入することで、従業員の評価に関するデータの蓄積と分析が容易になり、評価の公正性や透明性をさらに高めることができます。これにより、従業員の納得感も向上し、全体的な業務効率も改善されます。自社のニーズや予算に合わせて、システムの導入と評価制度の見直しを検討しましょう。

見直しの際のポイント

次に人事評価制度見直す際のポイントについて説明します。ポイントは主に6つあります。

・経営理念や方針と一致させる
・実現可能な評価制度にする
・明確な評価制度にする
・現場従業員の意見を取り入れる
・人事評価制度を周知させる
・定期的に評価制度を見直す

それぞれについて詳しく解説します。

経営理念や方針と一致させる

人事評価制度は組織の経営理念、方針と一致するように設計する必要があります。まず、自社の方向性や考え方が明確であることを確認しましょう。変化の激しい環境では、経営課題や方針も頻繁に大きく変わります。これらの変化に伴って生まれる新たな価値に対し、柔軟に対応できる人事評価制度を設計しましょう。

実現可能な評価制度にする

人事評価制度は、現実的かつ実行可能なものでなければなりません。評価制度の実施プロセスが複雑すぎると、評価がうまく運用されず、従業員や評価者に負担をかけることになります。シンプルで理解しやすいプロセスを設計し、実行可能な運用方法を整えることが重要です。

明確な評価制度にする

公正な評価を実現するために、人事評価制度の内容を明確にする必要があります。評価者と被評価者の双方にとって透明性があり、納得のいくような評価項目をつくりましょう。
評価基準が明確であれば、評価結果から具体的な改善点が見えやすくなります。また、社員は自身の強みと弱みを理解し、自己成長のための具体的な行動計画を立てることができます。
また、評価制度の課題が明らかになることで、それを解決し、より高品質な評価制度を構築することもできます。

現場従業員の意見を取り入れる

評価制度を実際に経験している評価者と被評価者の双方の意見を取り入れましょう。現場従業員の声を反映することで、評価基準が一方的でなく、多様な視点を含むものになります。評価制度が公平であると感じられ、従業員全体の納得感が高まります。

人事評価制度を周知させる

自社の人事評価制度がどのように設定されているかを従業員にしっかり理解してもらうことが重要です。従業員は自分がどのような基準で評価されるのかを理解しやすくなり、評価に対する納得感や透明性が高まります。

定期的に評価制度を見直す

社会や働き方の変化に応じて、人事評価制度も適応する必要があります。例えば、リモートワークの普及やデジタル化の進展などにより、従業員の業務遂行方法や成果の測定基準も変わるため、評価制度もこれに対応する必要があります。
定期的な見直しを行うことで、評価制度の改善点や問題点を把握し、必要な改革を実施しましょう。制度が常に最適化され、組織全体のパフォーマンス向上に繋がります。

見直しの方法

次に実際に人事評価制度を見直す際の手順について説明します。手順は以下6ステップあります。それぞれについて詳しく解説します。

①自社の現状を把握する

最初に、自社の現状を正確に把握することが重要です。現在直面している課題や企業理念を理解することで、自社に最適な人事評価制度を構築するための土台をつくります。
具体的には、 現在の評価制度に関するデータやフィードバックを収集し、過去の問題点を洗い出しましょう。

②目標・方針を定める

次に、人事評価の目標・方針を明確にします。例えば、公平性の向上、透明性の強化、従業員のモチベーション向上を目標に立てましょう。社員が理解しやすくするためには、人事評価制度が企業の目標や意図に合致していることが重要です。社員も自分の目指す方向を具体的に把握しやすくなります。

③制度を見直す

見直しの際のポイントを参考にし、人事評価制度を見直します。

④シミュレーションを行う

新しい評価制度を小規模で試行し、実際の運用における課題や効果を確認します。シミュレーション結果をもとに、必要な修正を加えます。

⑤社内に周知し、運用を開始する

人事評価制度が完成したら、全従業員に対して周知を行いましょう。メール、社内掲示、ミーティングなど、さまざまな方法で情報を広めることが重要です。さらに、人事評価制度に関するマニュアルを作成し、必要に応じて参照できるようにしておきます。
人事評価の運用を開始する前に、通常は1か月程度の準備期間を設けるのが望ましいです。この期間中に、従業員からの質問や不明点に対応し、評価プロセスがスムーズに進むように準備を整えましょう。

⑥評価と改善を行う

最後に、 新しい評価制度が適切に運用されているかどうかを定期的に評価します。評価の結果や従業員のフィードバックを基に、制度の効果を測定します。
さらに、制度の運用状況や問題点についてのフィードバックを収集し、必要に応じて追加の改善を行います。評価制度が常に最新の状態で効果的に機能するよう心がけましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、人事評価制度の概要、見直す際のポイントから手順まで解説しました。
人事評価制度の見直しは、現状の分析から始まり、目標設定、見直し、シミュレーションと実行、そして評価と改善のサイクルを通じて行います。
本記事を参考にして、組織全体のパフォーマンスと従業員の満足度向上に繋がる評価制度を実現しましょう。

(株)uloqo 代表取締役 関川 懸介
この記事の監修者:(株)uloqo 代表取締役 関川 懸介

2016年4月、(株)uloqoを設立。
代表取締役として各領域を管掌。現在も大規模案件のディレクターとして、採用・エンジニア採用・人事評価制度策定支援等に従事。
累計300社以上の支援実績を誇る。大手新聞社やテスト支援会社、フリマアプリ企業をはじめとしたエンタープライズ企業に対する支援実績が中心。採用企画・スカウト・採用広報・組織開発全般・デジタル人材全般に強みを持つ。

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