
エンジニア採用市場は今、深刻な人材不足と過熱する企業間競争に直面しています。特に優秀なエンジニアほど「転職潜在層」として表には出てこないため、従来の求人広告や人材紹介といった待ちの採用では、採用成功に限界があるのが実情です。
そうした中、注目を集めているのが、企業自らが転職潜在層に直接アプローチする「ダイレクトリクルーティング」という攻めの手法です。
本記事では、ダイレクトリクルーティングの基本概念から、エンジニア採用に特化した具体的な手法、導入によって得られるメリット、実践フロー、さらには効果を最大化する運用ポイントまでを網羅的に解説します。
ダイレクトリクルーティングとは?
エンジニア採用の成功には、「企業から動く採用」が不可欠です。転職潜在層が増える中、求人広告や人材紹介だけでは優秀な人材にリーチしづらくなっています。
そこで注目されているのが、企業が候補者に直接アプローチする「ダイレクトリクルーティング」です。
本章では、この手法の基本的な定義や従来手法との違い、主要な実施手段、そして注目される背景についてわかりやすく説明します。
- ダイレクトリクルーティングの定義
- ダイレクトリクルーティングの主な手法4種
- 注目される背景と市場規模
それぞれについて詳しく説明します。
ダイレクトリクルーティングの定義
ダイレクトリクルーティングとは、企業が自ら候補者に直接アプローチする採用手法です。従来のように人材紹介会社や求人媒体を介するのではなく、採用担当者や現場責任者がダイレクトに転職潜在層へ働きかけ、選考・面談へとつなげていきます。
この手法の最大の特徴は、受け身ではなく攻めの採用戦略であることです。特にエンジニアのような有効求人倍率の高い職種では、自社から能動的にアクションを取らなければ優秀な人材を確保するのが困難な状況にあります。
ダイレクトリクルーティングの主な手法4種
ダイレクトリクルーティングと一口に言っても、そのアプローチ手法は多様化しています。中でも代表的なのが以下の4つです。
- スカウト:媒体上の候補者へメッセージを送る王道手法
- SNS:LinkedInやX(旧Twitter)などのDMを活用
- リファラル:社員紹介で信頼性の高い人材に接触
- イベント:勉強会やMeetupで直接ネットワーキング
それぞれの手法において、目的やターゲットによって使い分けることが重要です。たとえばスカウトは量産しやすく、SNSはピンポイントのアプローチが強み、イベントは相互理解を深めやすいという特長があります。
注目される背景と市場規模
近年、ダイレクトリクルーティングが急速に注目を集めている背景には、複数の構造的な要因が存在します。
エンジニアをはじめとするIT人材の慢性的な不足や若手・即戦力人材の奪い合いによる競争激化、働き方の多様化により、転職潜在層が増加などが挙げられます。
2025年現在、ダイレクトリクルーティング関連のサービス市場は年率10%以上の成長を続けており、今後も継続的な拡大が見込まれています。特にエンジニア領域では、スカウトに対する返信率や採用単価においてもポジティブな効果が現れており、多くの企業が導入を進めています。
【厳選10社】おすすめのダイレクトリクルーティングサービス
ダイレクトリクルーティングを成功させるためには、媒体選定が最重要です。この章では、エンジニア採用におすすめの代表的なサービスをカテゴリ別に紹介します。あわせて、選定のためのKPIや比較ポイントも掲載します。
- Forkwell Jobs
- paiza転職
- Findy
- LAPRAS SCOUT
- dodaダイレクト
- Green
- Wantedly
- BIZREACH
- Offers
- YOUTRUST
それぞれについて詳しく説明します。
Forkwell Jobs
出典:)Forkwell Jobs
- 即戦力となるフリーランス人材に特化したマッチングプラットフォーム
- スタートアップやベンチャー企業からの支持が高い
- 採用代行やスカウト業務の経験者が多く登録
- 短期プロジェクトから長期稼働まで柔軟に対応可能
- 案件や契約条件に応じた時間単価制・月額制などで変動
- 短時間稼働から継続稼働まで幅広く対応可能
- 初期費用は無料
paiza転職
出典:)paiza転職
- プログラミングスキルチェックにより「技術力」を可視化できる
- 新卒・中途・若手・未経験向けなど多様な採用領域をカバー
- ITエンジニアに特化した垂直統合型プラットフォーム
- 採用成功まで初期費用・掲載費用がかからない成功報酬型
- 採用が成功した時点でのみ成果報酬が発生(成功報酬型)
- 「paiza転職」は年収の約25〜30%から、「paiza新卒」はランク・条件により110万円〜
- インターン募集など一部プランでは成功報酬が無料になる場合も
Findy
出典:)Findy
- 登録エンジニア数は10万人以上。GitHub等のOSS活動を評価して「技術力を可視化」
- 「いいね」→「マッチ」の双方向アクションで、工数少なく効率的にスカウト可能
- スタートアップからメガベンチャーまで対応。カスタマーサクセスが採用戦略支援を提供
- 導入費用+成果報酬型(※月額費用は発生しない)
- ベーシックプラン/プレミアムプランがあり、プランによってサポート内容が異なる
- 具体的な料金は非公開で、問い合わせによる個別見積もり対応
LAPRAS SCOUT
出典:)LAPRAS SCOUT
- AIでGitHubや技術発信を分析し、エンジニアの技術力を可視化
- 「興味通知」やタレントプール機能で潜在層へのアプローチがしやすい
- スカウト返信率・内定率が高く、カスタマーサクセスによるサポートが手厚い
- 複数プランあり(自社運用/運用代行/JOB BOARD)で用途や負荷に応じて選べる
- 自社運用プラン:月額固定のみ(成功報酬なし)
- BPaaS プラン(運用代行含む):月額+成功報酬の組み合わせ
- JOB BOARD プラン:掲載は無料(初期・月額費用なし)、成功報酬のみ(目安15%)
- 料金は公開されておらず、問い合わせによる個別案内
dodaダイレクト
出典:)dodaダイレクト
- 日本最大級の登録者データベース(doda/doda X含め)から、直接ターゲット人材にアプローチ可能
- 定額制プラン(ライト/スタンダード/プレミアム)では採用人数に関わらず費用一定
- 最短1日で面接設定可能など、スピード感ある採用が可能
- サポート体制が充実し、スカウトの開封率や運用支援も手厚い
- 定額制プラン(初期費用のみ、成功報酬なし):
- ライト:8週間・80万円・最大スカウト400通
- スタンダード:24週間・180万円・最大スカウト1,000通
- プレミアム:48週間・330万円・最大スカウト2,000通
- 追加スカウト:100通あたり約16.5万円(1通あたり1,650円程度)
- 成功報酬プラン:初期費用0円/月額利用料+成功報酬型(理論年収の約20%目安)もあり
- 無料トライアルあり(まずはDBを閲覧可能)
Green
出典:)Green
- エンジニアやデザイナー職種に特化したダイレクトリクルーティングサービス
- 利用者の約6割がIT・クリエイティブ系職種で、20代~30代が中心
- 企業紹介ページはライター・カメラマンが取材し、魅力を伝える設計
- スカウト配信数に制限がなく、幅広い候補者にアプローチ可能
- フロント・バックエンド、インフラ、UI/UX、QAなど多様な技術職に対応
- 初期費用:60万円~120万円(職種一律)
- 成功報酬型:年収連動ではなく一律設定
- 一度契約すれば長期間掲載可能な設計
- 無料で毎月1,000通のスカウト送信が可能
Wantedly
出典:)Wantedly
- 約400万人が利用する採用×SNS型プラットフォーム
- 企業のビジョンや文化をコンテンツとして発信可能
- 20~30代を中心としたIT・クリエイティブ職人材が多数登録
- スカウトの平均返信率は約20%と比較的高水準
- 正社員・新卒・業務委託・アルバイトなど多様な雇用形態に対応
- 月額固定費で成果報酬なしの料金体系
- プランにより管理人数やスカウト数が変動
- 無料トライアル制度あり
- 詳細料金は資料請求により案内
BIZREACH
出典:)BIZREACH
- ハイクラス・マネジメント層を中心に、国内最大級の即戦力人材データベース
- 求人票作成・データベース検索・プラチナスカウト・レポート機能など、採用に必要な機能が網羅
- スカウト送信数はプランに応じて設定。PDCA運用がしやすい各種分析機能も完備
- 掲載から採用までスピード感あり。待ちではなく能動的に候補者へアプローチ可能
- 基本利用料+成功報酬型:基本利用料は85万円〜/半年(プランにより変動)、成功報酬は採用時に理論年収の約15%
- スカウト通数制限あり:例として、6ヶ月で400通まで送れるプランが人気(1通あたり約2,125円)
- プラン区分:スタンダード・プレミアムなどがあり、スカウト通数やサポート範囲によって異なる
- 料金は非公開。詳しくは資料請求や問い合わせで案内
TECH OFFER
出典:)TECH OFFER
- 理系大学生・大学院生(約6割が修士以上)に特化したスカウト型採用サービス
- 約4万件の研究室・教員データと100万件超の技術キーワードで精密なマッチングが可能
- 「自動オファー」機能により、ターゲット条件を設定するだけでスカウトが自動送信
- 専任コンサルタントが導入・運用を支援し、オファー文や戦略の最適化もフォロー
- 専門領域(情報・機械・化学など)に特化した学生と直接つながる機会を提供
- 定額制プランと成功報酬型プランを選択可能
- 定額制ではオファー可能件数に応じた契約タイプあり(例:1,200〜5,000件)
- 成功報酬型の場合は別途契約・個別見積もり
- 詳細料金についてはお問い合わせにて案内の形式
YOUTRUST
出典:)YOUTRUST
- 「友達の友達」まで広がる独自のリファラルネットワーク型スカウト
- エンジニア・デザイナー・企画職など多様な職種が登録
- 返信率30〜40%と高水準、潜在層へのアプローチに強み
- スカウト対象を絞って配信できるため、的確な接点づくりが可能
- 無料プランでも求人作成・一部スカウト利用が可能
- 全プラン12ヶ月契約、スカウト数に応じた料金体系
- スタンダード:初期費用10万円+20万円
- スタンダードPlus:初期費用10万円+25万円
- プレミアム:初期費用10万円+35万円/ダイヤモンド:+50万円
- 詳細プランは要問合せ
エンジニア採用でダイレクトリクルーティングを導入すべき理由
優秀なエンジニアを採用するには、待つだけの手法では限界があります。競争が激化するIT人材市場では、潜在層へのアプローチや採用活動の見える化、自社採用力の底上げが求められています。
ダイレクトリクルーティングはこれらの課題を一手に解決し、コストを抑えながら高精度な採用を可能にする戦略的手法です。
本章では、以下に示す具体的な4つのメリットについて解説します。
- 潜在層へのリーチ力
- 採用課題の可視化と改善
- 自社採用力の強化
- コスト最適化
それぞれについて詳しく説明します。
潜在層へのリーチ力
ダイレクトリクルーティング最大の強みは、転職顕在層だけでなく、潜在層にも直接アプローチできることです。
特にエンジニアの場合、「常に転職を考えているわけではないが、良い機会があれば話を聞きたい」と考えている層が非常に多く、求人広告では届かない可能性が高いです。
スカウト媒体やSNSで「今すぐ転職しない」人と繋がることにより、競合他社よりも先に接点を持ち、信頼関係を築くことが可能になります。
採用課題の可視化と改善
ダイレクトリクルーティングでは、スカウト開封率や返信率、面談設定率などの各種KPIをリアルタイムで可視化できます。
どの職種・スキル領域にリーチしづらいのか、スカウト文面やターゲット設定にズレがあるのかといった課題を早期に把握でき、改善サイクルを回すことができます。
従来の紹介を待つ手法では、こうしたファネル全体を企業側でコントロールすることが難しく、採用活動のブラックボックス化を招いていました。
自社採用力の強化
ダイレクトリクルーティングは単なる手法ではなく、以下のような取り組みが求められるため「企業の採用力」を高めるトレーニングの場でもあります。
- 採用ターゲットのペルソナ設計
- 魅力的なスカウト文面や面談ストーリーの設計
- ピッチ資料・採用ページなどの情報発信強化
これらの活動は、ダイレクトリクルーティングに限らず、今後すべての採用チャネルにおいて有効に機能する企業の競争力となります。
コスト最適化
ダイレクトリクルーティングは、採用コストの最適化を実現できる手法として注目されています。
従来の人材紹介では、1名あたり100万円〜150万円程度の紹介手数料が発生するのが一般的ですが、ダイレクトリクルーティングでは媒体利用料や内製工数の範囲にとどまり、1名あたりの採用単価を50万円前後に抑えられるケースも少なくありません(※職種・ポジションにより変動あり)。
また、採用数が増えるほど単価が下がりやすいため、年間で複数名の採用を計画している企業にとっては高い費用対効果が見込めます。採用コストの平準化・見える化にも寄与し、採用予算の精度向上にもつながります。
ダイレクトリクルーティングでエンジニアを採用する流れ
ダイレクトリクルーティングは、計画的に運用すれば高精度なエンジニア採用が可能な手法です。しかし成果を上げるには、ただスカウトを送るだけでは不十分で、各フェーズにおいて明確な意図と設計が求められます。
本章では、エンジニア採用におけるダイレクトリクルーティングの標準的な流れを段階的に解説します。
- 採用戦略を設計するための初期準備
- 自社に合った媒体の選定
- 候補者リストの構築
- スカウト送信とメール運用設計
- 動機形成につなげるカジュアル面談の設計
- 技術スクリーニングから最終面接までの選考プロセス
- オファー提示後のフォローと入社支援
それぞれについて詳しく説明します。
採用戦略を設計するための初期準備
最初のステップは、採用計画の全体像を明確に描くことから始まります。
まずは、「どの職種・レベルのエンジニアを、いつまでに何名採用したいのか」といった採用数の目標を定めたうえで、必要となるスキルセットや開発環境への適応力、さらにはマインドセットまで含めた要件を具体化します。
同時に、「なぜこのポジションが必要なのか」「自社はどのような価値を提供できるのか」といった採用の意義や訴求ポイントも整理しておくことが重要です。
こうした情報をもとに、ターゲットとなる人材像(ペルソナ)を明確に設計することで、媒体選定やスカウト文面の質が大きく向上します。
自社に合った媒体の選定
採用戦略が明確になったら、次はターゲット人材と接点を持てる媒体を選定します。
媒体ごとに登録者のスキル傾向、経験年数、志向性(スタートアップ志向/大企業志向など)、アクティブ率などが異なるため、自社のペルソナとデータベースの相性を見極めることが不可欠です。
また、スカウトの開封率・返信率、導入企業数、運用サポートの有無、費用体系なども含めて総合的に比較検討しましょう。
媒体の選定は、その後のスカウト成果や面談化率を左右する起点となるため、複数媒体の資料を取り寄せた上で、定量・定性の両面から評価する姿勢が求められます。
候補者リストの構築
媒体を選定した後は、条件設定に基づき、候補者のリストを作成していきます。
検索条件は、スキルセットや勤務地、年収希望、転職可能時期などをもとに精査し、実際にアプローチすべき人材を絞り込むことが重要です。
そのうえで、リストアップした候補者をA~Cなどのランクに分類し、スカウトの優先順位を決めておくことで、効率的な運用が可能になります。
スカウト送信とメール運用設計
スカウトメールはテンプレートを流すだけでは成果が出ません。以下のポイントを意識してパーソナライズしましょう。
- 候補者のGitHub/Qiita/SNSなどの情報を読み込む
- 「なぜこの人に声をかけたか」を明確に記載する
- カジュアル面談を前提とし、ハードルを下げる
また、送信数・返信率・面談化率といったKPIを定期的にモニタリングし、文面やタイミングをPDCAで改善していく体制も不可欠です。
動機形成につなげるカジュアル面談の設計
スカウトに返信があった場合、いきなり選考に進めるのではなく、まずはカジュアル面談の機会を設けることが効果的です。
この面談では、現場エンジニアが同席し、技術的な共通言語での対話を通じて信頼関係を築くことが重要です。また、働き方や開発スタイルといった、実際の現場に根ざした情報を具体的に伝えることで、候補者が自ら働くイメージを持ちやすくなります。
丁寧に設計された面談を通じて、候補者に「話しやすさ」や「技術的に面白そうな職場」「カルチャーが合いそうだ」と感じてもらえるかどうかが、その後の選考プロセスでの歩留まりや内定承諾率に直結します。
技術スクリーニングから最終面接までの選考プロセス
カジュアル面談を経て候補者が選考に進む段階では、技術力とスタンスを多面的に評価するプロセスに移行します。
このフェーズでは、コーディング試験やGitHub上のアウトプットに対するレビュー、ホワイトボードを用いた設計思考の確認、さらにはチームメンバーとの相性を確かめる面談など、さまざまな形式でスキルとマインドの適合度を見極めていきます。
これらの評価を公平かつ効率的に行うためには、事前に評価項目や基準を明文化し、現場メンバーとすり合わせておくことが欠かせません。選考プロセスを通して求める人物像との整合性を保つことで、ミスマッチのない最終判断につなげることができます。
オファー提示後のフォローと入社支援
最終選考を通過した候補者に対しては、迅速かつ誠実なオファー提示が非常に重要です。
提示する条件は、年収や評価制度、リモート可否などを含めてできるだけ明確に伝えることで、候補者の不安を解消し、納得感を高めることができます。また、意思決定のスピードも鍵となるため、社内の決裁プロセスをあらかじめ簡略化し、スムーズに提示できる体制を整えておくことが望ましいでしょう。
さらに、内定後もSlackなどのチャットツールを通じてこまめに連絡を取り、サイレント期間にフォローをすることで、入社承諾後の離脱リスクを防ぎ、実際の入社率を大きく左右します。
カジュアル面談・スカウト返信率を高めるポイント
ダイレクトリクルーティングでは、候補者との最初の接点であるスカウト返信率やカジュアル面談の質が採用成否を大きく左右します。返信率が低いと母集団形成が滞り、面談の質が低いと選考辞退につながるため、改善は必須です。
ここでは、返信率を高め、面談で動機づけを行うための具体的な設計ポイントを解説します。
- 面談ゴールとストーリー設計
- エンジニア同席で信頼獲得
- 採用専用ピッチ資料の作り方
- メールのパーソナライズ術
- KPI・返信率向上のコツ
それぞれについて詳しく説明します。
面談ゴールとストーリー設計
カジュアル面談では、会社説明だけでは候補者の興味を引くのは難しく、対話を通じて転職意欲を引き出す構成が重要です。
最初に雑談で場を和ませた後、「なぜ今このポジションを採用しているのか」といった背景を伝えることで、自社への理解と関心を促します。続いて、候補者のキャリア観を丁寧に聞き出し、「あなたならこういう役割が期待できる」と提案型で話を展開しましょう。
最後に、技術課題や成長機会を率直に伝えることで、挑戦する価値を実感してもらうことが面談成功の鍵となります。
エンジニア同席で信頼獲得
面談に採用担当者だけが登場すると、「技術の話ができない」「現場の様子が見えない」と感じられやすくなります。そこで、現場エンジニアを同席させることで、信頼構築の精度が格段に高まります。
技術スタックや業務の具体像をよりリアルに伝えられるだけでなく、スキルの相互確認や技術者同士の共通言語によって距離も縮まりやすくなります。その結果、返信率や選考意欲の向上にもつながるため、現場の巻き込みはコストではなく戦略的な投資と捉えるべきです。
採用専用ピッチ資料の作り方
候補者に自社の魅力を正しく伝えるには、採用専用のプレゼン資料を用意するのが有効です。
資料には以下のような情報を入れましょう。
- 会社概要(沿革・ビジョン・事業内容)
- エンジニア組織の体制・開発フロー
- 使用技術スタックとアーキテクチャ
- 働き方や制度(リモート/裁量など)
- 開発チームの文化・価値観
スライド形式で10〜15枚程度が理想です。面談前にPDFで共有すれば、候補者の事前理解を深めることにもつながります。
メールのパーソナライズ術
スカウトメールは「件名」と「導入文」で8割が決まると言われており、テンプレートではなく、一人ひとりのプロフィールに合わせた文面を作ることが重要です。具体的な言及は、相手に「自分のことを見てくれている」と感じさせます。
また、「弊社の〇〇プロジェクトと近しいご経験をお持ちだと感じ、ご連絡差し上げました」といった関連性のある内容を添えることで、興味を引く確率が高まります。これらは決して長文である必要はなく、短くても相手に理解されていると伝わることが鍵です。
KPI・返信率向上のコツ
スカウト運用では、開封率・返信率・面談化率などのKPIを定期的に確認し、改善を続けることが成果に直結します。
特に数値が落ちている項目は、職種設定や文面、送信タイミングに課題があるケースが多く、早期の見直しが重要です。
また、「週明けは返信率が高い」などの傾向もあるため、データをもとに検証とPDCAを繰り返すことで、選考効率が着実に高まっていきます。
エンジニア向けダイレクトリクルーティング媒体の選び方
媒体の選定は、採用活動の成果を左右する最も重要な意思決定の一つです。登録データベースの質や返信率、運用サポートの充実度によって、母集団の量や採用スピードが大きく変わります。
ここでは、成果につながる媒体を見極めるための主要なチェックポイントを解説します。
- データベースの専門性
- スカウト返信率を左右する要素
- CS・運用サポートの質
- 料金体系/課金モデル
- 自社KPIとの整合性
それぞれについて詳しく説明します。
データベースの専門性
ダイレクトリクルーティングを選ぶ際にまず注目すべきは、媒体に登録しているユーザーの属性です。特にエンジニア採用では、登録者がどの技術領域(例:フロントエンド、機械学習、SREなど)に強みを持っているのか、開発エンジニアやインフラ、PMといった職種別の比率はどうか、さらに実務経験年数が若手中心なのか中堅層が多いのかといった分布を確認することが欠かせません。
媒体によっては、ユーザーのGitHubスコアやQiita投稿履歴を元にスキルレベルをスコアリングしている場合もあります。定量的にスキル可視化ができるサービスは、マッチング精度が高くなります。
スカウト返信率を左右する要素
スカウトの返信率は、文面の工夫だけでなく、媒体の仕組みや登録ユーザー層によっても大きく影響を受けます。例えば、スカウトの送信上限数が厳しく制限されている媒体では、候補者が受け取る件数が少ない分、1件1件の内容を丁寧に確認する傾向があり、結果として返信率が高まりやすくなります。
また、フリーテキスト形式ではなく、候補者が希望条件を細かく設定できる媒体では、送信するスカウトと受け取る側の希望条件が一致しやすく、マッチ度が向上します。
このように、媒体ごとの仕様や特徴を正しく理解し、返信率に強みを持つ媒体を選定することで、効率的かつ質の高い母集団形成が可能になります。
CS・運用サポートの質
導入後に成果を出せるかどうかは、伴走型サポートの有無に大きく依存します。
チェックすべきポイント:
- 初期設定やターゲット設計を一緒に進めてくれるか
- スカウト文面の添削や改善提案があるか
- 定例ミーティングやKPIレポートの提供があるか
媒体によっては、「メール送信だけして終わり」のケースもあるため、実行支援までしてくれるパートナーを選ぶのが重要です。
料金体系/課金モデル
料金体系は主に以下の2つに分かれます。
定額型(月額・年額制):スカウト通数に応じて費用が決まる。Greenやpaizaなど。
成果報酬型(採用時のみ課金):BIZREACHやOffersなどに多い。初期投資リスクが少ない。
自社の予算や採用予定数に応じて、「1名あたりの採用単価」と「見込み返信率」から費用対効果をシミュレーションしておくと安心です。
自社KPIとの整合性
最終的に重要なのは、「どの媒体が一番有効か」という一般的な評価ではなく、「自社が設定した採用KPIに合致しているか」という視点です。たとえば、月間30通のスカウト送信で返信率20%、そのうち面談率50%を目指すケースや、1名あたりの採用コストを50万円以内に抑える目標、さらに若手のフロントエンドエンジニアを3か月以内に2名採用するといった具体的な数値目標が考えられます。
こうした明確なKPIを基準に、各媒体がどの程度その達成に貢献できるのかを比較・検証することで、媒体選定の精度を高め、失敗を防ぐことができます。
エンジニアにおけるダイレクトリクルーティングについてよくある質問(FAQ)
エンジニアにおけるダイレクトリクルーティングについてよくある質問をまとめました。
スカウトの返信率が低い原因は?
テンプレート感のある文面や、候補者の情報に触れていないスカウトは見られにくくなります。パーソナライズを意識し、なぜ声をかけたかを具体的に伝えると返信率が上がります。
現場エンジニアは面談に同席すべき?
同席することで、技術的な共通言語が生まれ信頼関係が築きやすくなります。選考意欲や返信率の向上にもつながる重要な施策です。
スカウトの自動化って有効?
条件設定や候補者リストの精度を高めれば、自動化は運用効率化に有効です。ただし、送信後の改善PDCAは必須です。
媒体は1つに絞った方がいい?
初期段階では複数媒体を使ってデータを蓄積するのが効果的です。成果が見えた段階で徐々に絞り込むのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本記事では、エンジニア採用におけるダイレクトリクルーティングの基本から、実践ステップ、媒体選定のポイントまで幅広く解説しました。
エンジニア採用の競争が激化する中で、求人広告や人材紹介だけでは限界がある時代。企業自らが優秀な人材にアプローチする「攻めの採用戦略」がますます求められています。
本記事の内容を参考に、自社の採用戦略や課題に合ったダイレクトリクルーティングを導入し、採用力の強化と採用成功率の向上を目指しましょう。
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