コーポレート用アイキャッチ-4.jpg)
人材採用において、「マッチ度の高い人材がなかなか見つからない」「コストがかさむ」といった課題を抱える企業は少なくありません。そうした中で注目されているのが、企業が求職者に直接アプローチする「ダイレクトリクルーティング」です。
求人媒体や人材紹介とは異なり、自社の求める人材にピンポイントでアプローチできる点が大きな特徴。
本記事では、ダイレクトリクルーティングのメリットや導入に向いている企業・職種、注意点まで詳しく解説します。
ダイレクトリクルーティングとは?
採用市場の変化により、企業が求職者に直接アプローチする「ダイレクトリクルーティング」が注目されています。従来の採用手法に比べて、精度の高い採用が可能になることから、多くの企業が導入を進めています。まずはその特徴や他手法との違いを整理してみましょう。
- ダイレクトリクルーティングの特徴
- 求人媒体・人材紹介・転職イベントとの違い
- どんな企業が導入しているか?
それぞれについて詳しく説明します。
ダイレクトリクルーティングとスカウトの違いとは?特徴や使い分け方なども解説!
ダイレクトリクルーティングの特徴
ダイレクトリクルーティングとは、企業が求人広告などを介さず、求職者に直接アプローチして採用を行う手法です。スカウトメールやビジネスSNSなどを活用し、企業の採用担当者が主体的に人材を見つけ出して接触します。
この手法の最大の特徴は、従来の「応募を待つ」スタイルから「攻めの採用」へと発想を転換できる点にあります。求職者の経験・スキル・志向に応じて最適な人材を選別し、個別にアプローチすることで、よりマッチ度の高い採用が可能になります。
求人媒体・人材紹介・転職イベントとの違い
従来の採用手法と比較した際の主な違いは以下の通りです。
- 求人媒体:大量の応募を見込めるが、マッチ度が低くなる傾向がある
- 人材紹介:スクリーニングの手間は省けるが、コストが高く、紹介精度は業者任せ
- 転職フェア:その場での出会いがあるが、短期的で継続性に欠ける
ダイレクトリクルーティングは、これらの手法のデメリットを補いながら、企業自身が主導して採用活動を進める点が強みです。
どんな企業が導入しているか?
ダイレクトリクルーティングは、以下のような企業に多く導入されています。
- 成長フェーズにあり、専門性の高い人材が必要なベンチャー企業
- 知名度が低く、求人媒体では応募が集まりにくい企業
- 採用の内製化を進めており、ノウハウを自社に蓄積したい企業
特に、エンジニア・営業・マーケティングなどの即戦力ポジションにおいて導入が進んでおり、スピード感をもった採用活動に適しています。
なぜ今注目されているのか
近年、ダイレクトリクルーティングが注目を集めている背景には、採用市場の変化や求職者の行動変容が大きく影響しています。本章ではその理由を整理し、なぜ今この手法が多くの企業に求められているのかを解説します。
- 採用難の時代に直面しているから
- 転職潜在層にリーチできるから
- SNSやデータベースの普及が進んだから
- 企業のブランディング強化が求められているから
それぞれについて詳しく説明します。
採用難の時代に直面しているから
企業間の人材獲得競争が激化し、従来の求人広告や人材紹介だけでは必要な人材を確保しにくくなっています。実際、帝国データバンクの調査(2025年1月)によれば、正社員の人手が「不足」と感じている企業は53.4%に達し、コロナ禍以降で最高を記録しました。非正社員についても30.6%の企業が「不足」と回答しています帝国データバンク。このような状況下で、能動的に候補者にアプローチできるダイレクトリクルーティングの重要性が一層増しています。
出典:)「人手不足に対する企業の動向調査(2025年1月)|帝国バンク」
転職潜在層にリーチできるから
「今すぐ転職するわけではない」層に直接アプローチできるため、他社に先んじて優秀層と接点を持てる点が注目されています。
SNSやデータベースの普及が進んだから
LinkedInなどのビジネス系SNSや候補者データベースの拡大により、ターゲット人材を効率的に探し出すことが可能になりました。
企業のブランディング強化が求められているから
候補者との接点を増やし、企業の魅力を直接伝えられる手段としても有効であり、採用広報の一環として活用が進んでいます。
ダイレクトリクルーティングのメリット5つ
ダイレクトリクルーティングには、従来型の採用手法では得られない独自のメリットがあります。本章では、企業の採用活動において特に効果的な5つのポイントを紹介します。
- 自社に合った人材を採用できる
- 潜在層へのアプローチで採用の幅が広がる
- 採用コストを最適化できる
- ノウハウ蓄積で採用力が高まる
- スピードと柔軟性を両立できる
それぞれについて詳しく説明します。
①自社に合った人材を採用できる
求人広告などの公募型採用では、応募者が企業に合わせる形となり、スキルや志向のミスマッチが起こりやすい傾向にあります。
一方、ダイレクトリクルーティングでは、企業が「求める人材像」にピンポイントでアプローチできるため、マッチング精度が高く、定着率の高い採用が可能となります。
②潜在層へのアプローチで採用の幅が広がる
転職市場には「転職を考えているが、まだ行動に移していない」潜在層が多く存在します。こうした層は、求人サイトなどでは拾いきれないため、企業側からのアプローチが有効です。
SNSや人材データベースを活用することで、採用母集団の幅を広げることが可能となり、より多様な人材と出会える機会が増えます。
③採用コストを最適化できる
人材紹介サービスでは、年収の30%以上の手数料が発生することが一般的ですが、ダイレクトリクルーティングはそれに比べて圧倒的にコストを抑えられます。
また、成果報酬型や月額定額型など、柔軟な課金体系を選択できるため、採用単価をコントロールしやすいのも特徴です。
④ノウハウ蓄積で採用力が高まる
採用活動を外部に委託せず、自社で運用することで、スカウト文面やターゲット設定の知見が社内に蓄積されていきます。
これにより、中長期的な採用力の向上やPDCAの内製化が実現可能です。採用部門の自立性が高まり、継続的な改善が進みます。
⑤スピードと柔軟性を両立できる
人材紹介などの外部サービスを通すと、連絡や調整に時間がかかり、スピード感が損なわれることがあります。
しかしダイレクトリクルーティングでは、候補者との直接対話が可能なため、選考からオファーまでのスピードアップが図れます。企業の状況に応じた柔軟な対応も容易です。
ダイレクトリクルーティングのデメリット4つ
メリットの多いダイレクトリクルーティングですが、運用する上で注意すべきデメリットも存在します。効果的に活用するためには、あらかじめ課題を理解し、対策を講じておくことが重要です。
- 採用担当者の工数が増える
- ノウハウ構築・改善の継続が必要である
- 現場巻き込みや社内体制の整備が必要である
- 返信率や面談化率が低下するリスクがある
それぞれについて詳しく説明します。
①採用担当者の工数が増える
候補者選定、スカウト作成、日程調整など、すべての工程を自社で行うため、採用担当者にかかる業務負荷が大きくなりやすいのが現実です。
特に他業務と兼任している場合、継続的なスカウト送信が難しく、運用が属人化しやすくなります。
②ノウハウ構築・改善の継続が必須である
ダイレクトリクルーティングは「やって終わり」ではなく、スカウト返信率や面談化率などの指標を見ながら、PDCAを回して改善する仕組みが不可欠です。
ノウハウが社内に蓄積されていない初期段階では、成果が出るまでに時間がかかる点に留意が必要です。
③現場巻き込みや社内体制の整備が必要である
スカウト対象者の選定や、魅力的なメッセージ作成には、採用担当者だけでなく現場社員の協力が不可欠です。
しかし、現場を巻き込む体制が整っていない場合、人材像の共有や対応のスピードに課題が生じやすい傾向があります。
④返信率や面談化率が低下するリスクがある
送るだけで反応が得られるわけではなく、スカウトの質やタイミングが大きく影響します。テンプレート化された文面や汎用的すぎるメッセージは、無視されがちです。
返信率や面談化率を安定的に確保するには、候補者の志向や背景を理解した上でのパーソナライズが求められます。
ダイレクトリクルーティングが向いている企業と職種
ダイレクトリクルーティングはすべての企業やポジションに適しているわけではありません。効果的に活用できるのは、いくつかの条件を満たす企業や職種です。ここではその特徴を解説します。
- 導入に向いている企業の特徴
- 導入に向いている職種の傾向
それぞれについて詳しく説明します。
向いている企業
以下のような企業は、ダイレクトリクルーティングの導入によって大きな効果を得やすいです。
- 採用のスピードと質を両立したい成長企業
- 採用ブランディングに注力したい企業
- 求人広告や紹介での成果が出にくい企業
特にベンチャー・スタートアップ企業では、スカウトを通じて企業の個性やミッションを直接伝えることで、志の合う人材と出会える可能性が高まります。
向いている職種
ダイレクトリクルーティングが適しているのは、以下のような職種です。
- ITエンジニア、データサイエンティストなどの専門職
- マーケターや営業などの即戦力型人材
- CXO・マネージャー層など、ハイクラス人材
これらの職種は求人市場における供給が限られているため、待っていても応募が集まりにくいという課題を抱えています。そのため、企業側から積極的にアプローチできるダイレクトリクルーティングが有効です。
導入前に考えるべきチェックポイント
ダイレクトリクルーティングは非常に有効な手法ですが、事前準備を怠ると期待した成果が得られないリスクもあります。導入を検討している企業は、以下のような観点で自社の体制や目的を整理しておくことが重要です。
①採用の目的とKPIは明確か?
「なぜダイレクトリクルーティングを導入するのか」「どのくらいの人材を、いつまでに採用したいのか」といった目的設定が曖昧だと、施策の優先度がブレてしまいます。KPIとしては、以下のような指標を定めておくのが効果的です。
- スカウト送信数・返信率
- 面談化率・内定率
- 採用単価・採用スピード
②社内体制・リソースは確保できているか?
スカウト対象者の選定、文面作成、送信・日程調整など、日常的に発生する業務に対応できる人員・工数があるかを事前に確認しましょう。採用専任者がいない企業では、運用が属人的になりがちなため、チームでの分担体制を整えることが求められます。
③自社の魅力や採用メッセージは明確か?
ダイレクトリクルーティングでは、自社の魅力や強みを言語化し、それを端的に伝える力が必要です。よくある表現では埋もれてしまうため、競合と差別化できる訴求ポイントを明確にしておく必要があります。
④継続運用する体制があるか?
「一度送って終わり」では成果は上がりません。スカウト送信後の対応や、改善サイクルの運用までを考慮した体制が必要です。月次での振り返りや改善点の抽出など、PDCAを回す文化が根付いているかも成功の分かれ道です。
【事例紹介】ダイレクトリクルーティング成功企業の取り組み
実際にダイレクトリクルーティングを導入し、成果を上げている企業は多数存在します。ここではその中から代表的な4社の事例を紹介し、導入のヒントや成功要因を読み解きます。
- キリンホールディングス:IT人材の獲得戦略
- Chatwork:母集団形成に依存しない採用体制
- 日産フィナンシャル:専門職の採用成功例
- ザイマックス:地方採用における活用戦略
それぞれについて詳しく説明します。
キリンホールディングス:IT人材の獲得戦略
キリンでは、従来の求人広告では集まりづらいITエンジニアの採用に課題を抱えていました。そこでダイレクトリクルーティングを導入し、技術スキルだけでなくカルチャーフィットまで考慮した人材に直接アプローチ。内定承諾率の向上にもつながったといいます。
Chatwork:母集団形成に依存しない採用体制
Chatworkは拡大期において、スピーディーかつ確度の高い採用を実現する必要がありました。求人広告や紹介会社に頼らず、スカウト中心で採用体制を構築。面談化率の高さと、職種ごとの運用改善によって、効率的な採用が可能になりました。
日産フィナンシャル:専門職の採用成功例
金融業界特有の専門スキルや実務経験を求める採用において、ピンポイントな人材が必要とされていました。ダイレクトリクルーティングを活用することで、人材紹介では出会えなかった層にアプローチできた点が成功要因です。
ザイマックス:地方採用における活用戦略
地方での採用は母集団形成が難しく、ターゲット人材に出会うまでに時間がかかるケースが多くなります。ザイマックスでは、全国規模のデータベースを活用し、転職意欲の芽生えた層をいち早く取り込むことで、地方拠点でも採用成功を実現しています。
【3選】おすすめのダイレクトリクルーティングサービス
ダイレクトリクルーティングを成功に導くには、目的や職種に合ったサービス選びが重要です。ここでは、企業の導入実績や支援体制で高評価のサービスを3つピックアップし、比較できる形で紹介します。
▰株式会社uloqo
出典:)株式会社uloqo
採用戦略の設計からスカウト運用・面接調整まで一気通貫で支援。IT・コンサル領域に強く、Slack/Notion連携にも対応。採用未経験のベンチャーで3か月・エンジニア2名の採用実績あり。
特徴
- 戦略と運用の両立支援で社内工数を大幅削減
- IT・コンサル職に強み、スカウト精度が高い
- Slack/Notion連携などツール適用が柔軟
料金
- 詳細はお問い合わせください
▰dodaダイレクト
出典:)dodaダイレクト
パーソルキャリアが提供する大手スカウトサービス。特に中途採用での活用が進み、豊富なデータベースと自動レコメンド機能により、職種・業界を問わず幅広く対応。
特徴
- 豊富なスカウト通数と自動レコメンド機能
- 初めてのダイレクトリクルーティングでも使いやすいUI
- パーソルグループの安心感
料金
- 月額制・成果報酬型の併用プラン有り
▰ビズリーチ
出典:)株式会社ビズリーチ
年収600万円以上のハイクラス人材に特化。即戦力採用に最適なデータベースを保有し、管理職・経営層採用で実績多数。
特徴
- ハイクラス人材に特化したプラットフォーム
- 即戦力・管理職向けポジションに強い
- 定額制または成果報酬型の柔軟な選択肢
料金
- 定額制:月額15万円前後〜
- 成果報酬型:年収の30%前後
【事例あり】中途のダイレクトリクルーティングとは?サービス9選を紹介!
新卒ダイレクトリクルーティング媒体7選|有効な背景、成功のコツを解説
ダイレクトリクルーティングのメリットについてよくある質問(FAQ)
ダイレクトリクルーティングのメリットについてよくある質問をまとめました。
費用面でどれくらいメリットがあるの?
人材紹介と比較して費用を大幅に抑えられるケースが多く、月額定額などの柔軟な課金体系もあります。採用単価のコントロールがしやすいのが特徴です。
マッチ度が高い人材に出会えるのはなぜ?
企業が求める人物像に直接アプローチできるため、応募を待つスタイルよりもミスマッチが少なく、定着率の高い採用につながりやすくなります。
採用スピードを上げられるの?
仲介を挟まず直接候補者とやり取りできるため、日程調整や連絡がスムーズになり、内定までのスピードを大きく短縮できます。
潜在層って具体的にどうやってアプローチするの?
ビジネスSNSや人材データベースを活用することで、まだ転職活動を始めていない層にもアプローチが可能です。
返信がもらえないこともある?
あります。テンプレ文やパーソナライズされていないスカウトは無視されがちなので、相手に合わせた丁寧なメッセージが重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本記事では、ダイレクトリクルーティングの特徴や他の採用手法との違い、メリット・デメリット、さらには導入に向いている企業や職種、成功事例まで幅広く紹介しました。ダイレクトリクルーティングは、求職者に直接アプローチする「攻めの採用」として、多くの企業で注目されています。マッチ度の高い人材の確保や採用コストの最適化、スピード感ある対応が可能となる一方で、運用体制やノウハウ構築といった課題も存在します。自社の採用課題や体制と照らし合わせ、適切な準備と戦略をもって取り組むことが成功への鍵です。
本記事を参考に、自社に合った導入の検討を進めてみてください。
関連記事

Wantedly運用代行とは?業務や料金、サービス選定ポイントを紹介!
- スカウト代行

スカウトメールの平均返信率はどれくらい?業界別返信率や返信率を上げるためのポイントを解説!
- スカウト代行

【最新版】スカウト代行おすすめ8社を紹介!サービスの特徴、選び方を解説
- スカウト代行

【事例あり】中途のダイレクトリクルーティングとは?サービス9選を紹介!
- スカウト代行
コーポレート用アイキャッチ-5-400x225.jpg)
スカウトのコツ5選|開封率・返信率を上げるポイントを徹底解説!
- スカウト代行

新卒ダイレクトリクルーティング媒体7選|有効な背景、成功のコツを解説
- スカウト代行