
採用活動を進める中で、「ダイレクトリクルーティング」と「スカウト採用」の違いがよくわからない…そんな採用担当者も多いのではないでしょうか?
両者は候補者へのアプローチ手法として似ていますが、企業が直接動くか、媒体やエージェントを介するかという大きな違いがあります。
そこで本記事では、それぞれの特徴や使い分けのポイントをわかりやすく比較し、採用の成果を上げるためのポイントをご紹介します!
【徹底比較】ダイレクトリクルーティングとスカウトの違いとは
まずは、両者の基本的な意味と採用プロセスの違いを整理します。
- ダイレクトリクルーティングの定義
- スカウト採用の定義
- 両者の採用フローの違い
以上の3点を解説していきます。
ダイレクトリクルーティングの定義
ダイレクトリクルーティングは、企業が求人広告や人材紹介を介さず、自社の採用担当者が候補者に直接アプローチする採用手法です。 代表的な形は、求人データベースやSNSなどから自社が求める条件に合う人材を検索し、スカウトメールや面談の打診を行う方法です。
近年は即戦力採用や、転職意欲が顕在化していない“潜在層”へのアプローチ手段として注目を集めています。 以下に特徴をまとめました。
- 企業が主体的に候補者を探す「攻めの採用」
- 母集団の質を高めやすい
- 採用ブランディングの効果も期待できる
スカウト採用の定義
スカウト採用は、企業またはエージェントが候補者に対して求人情報やオファーを送る採用方法です。 求人媒体の会員や、転職エージェントが保有する人材プールの中から選び、スカウトメールを送信します。
ダイレクトリクルーティングとの違いは、「誰がスカウトを行うか」と「候補者情報の取得方法」にあります。 スカウト採用は、エージェントを介するケースも多く、企業の運用負荷が軽減される反面、候補者情報の深さや質は媒体やエージェント依存になります。
両者の採用フローの違い
採用フローには次のような違いがあります。
- ダイレクトリクルーティング 企業が求人媒体のデータベースやSNSから候補者を選定 → スカウト文面作成・送信 → 面談設定 → 選考 → 採用
- スカウト採用 媒体やエージェントが候補者を提案・スカウト → 候補者が興味を示す → 面談設定 → 選考 → 採用
このように、ダイレクトリクルーティングは「候補者選定から企業が行う」、スカウト採用は「媒体やエージェントのサポートが介在する」点が大きな相違点です。
ダイレクトリクルーティングのメリット
ダイレクトリクルーティングは、従来の求人広告や人材紹介にはない利点が多数あります。
- 優秀層・潜在層へのアプローチが可能である
- 採用経費を削減できる
- 採用プロセスの柔軟性が向上する
- ミスマッチを防止できる
ここでは企業視点から見た主な4つのメリットを解説します。
優秀層・潜在層へのアプローチが可能である
ダイレクトリクルーティングは、転職サイトの登録者やSNSユーザーなど、まだ転職活動を始めていない潜在層にも直接コンタクトできます。
従来の求人広告では出会えなかった優秀な人材を採用できる可能性が高まります。 特にITエンジニアやデータサイエンティストなど、売り手市場の職種において有効です。
採用経費を削減できる
求人広告や人材紹介を使う場合、掲載料や成功報酬が大きな負担になることがあります。 ダイレクトリクルーティングでは、媒体利用料やデータベースアクセス費用が主なコストで、採用単価を抑えやすいのが特徴です。
特に複数ポジションを同時に募集する場合や、中長期的な採用活動を行う企業にとって、コスト面の優位性は大きな魅力です。
採用プロセスの柔軟性が向上する
ダイレクトリクルーティングでは、候補者へのアプローチタイミングや選考フローを自社で調整できます。
例えば、書類選考をスキップしてカジュアル面談から始める、在職中の候補者に合わせて夜間・休日面談を設定するなど、柔軟な対応が可能です。 この柔軟性が、候補者体験(Candidate Experience)の向上にもつながります。
ミスマッチを防止できる
候補者を事前にリサーチし、スキル・経歴だけでなく、価値観や志向性も把握してからアプローチできるため、採用後のミスマッチを減らせます。
また、スカウトメール段階で自社のカルチャーやポジションの特徴を丁寧に伝えることで、入社後のギャップを最小化できます。
スカウト採用のメリット
スカウト採用は、企業が主体的に候補者にアプローチする採用手法であり、多くのメリットがあります。
- 採用担当者の工数削減
- 媒体やエージェントの信頼性を活用
- 短期間で候補者と接点を持てる
ここでは、スカウト採用が企業にもたらす具体的な3つのメリットを解説します。
採用担当者の工数削減
スカウト採用は、採用担当者の工数を大幅に削減する有効な手段です。従来の求人広告掲載や人材エージェントへの依頼とは異なり、企業が主体的に候補者にアプローチするため、無駄な選考プロセスを省き、本当に採用したい人材に絞ってアプローチできる点が最大の利点です。
具体的には、求人広告の作成や更新、それに伴う管理が不要になり、多くの応募者の中からスクリーニングを行う手間も省けます。
さらに、すでに興味を持ってくれた候補者とのやり取りとなるため、面接設定もスムーズに進みやすいです。これらの要素から、採用担当者はより戦略的な業務に集中でき、質の高い採用活動を実現できます。
媒体やエージェントの信頼性を活用
スカウト採用は、媒体やエージェントが持つ信頼性を活用できる点も大きなメリットです。自社で候補者を検索するだけでなく、信頼性の高いプラットフォームや専門家を通じてアプローチすることで、候補者からの信頼を得やすくなります。
特に知名度の低い企業にとって、大手転職サイトや特定の業界に特化したエージェントのブランド力を借りることは非常に重要です。プラットフォームを介したスカウトは候補者に安心感を与え、返信率の向上に繋がります。
また、エージェントを介することで、候補者のキャリア志向や潜在的なニーズを深く理解し、より的確なメッセージを届けられるため、ミスマッチを防ぐことにも貢献します。
短期間で候補者と接点を持てる
スカウト採用は、短期間で優秀な候補者と接点を持てる即効性の高い採用手法です。一般的な公募採用では、求人広告を掲載してから応募が集まるまでに時間がかかりますが、スカウト採用では企業が能動的に動くことで、タイムリーなアプローチが可能になります。
これにより、転職活動中の候補者や、潜在的に転職を考えている層に対し、リアルタイムでメッセージを送ることができ、競合他社に先駆けて優秀な人材にアプローチできるという強みがあります。
さらに、スカウトを受けた候補者はすでに企業に興味を持っている可能性が高いため、その後の選考プロセスがスムーズに進み、内定までの期間を短縮できます。急な人員補充が必要な場合や、特定のスキルを持つ人材を迅速に確保したい場合に、スカウト採用の即効性は大きな武器となります。
【比較表】ダイレクトリクルーティングとスカウトの使い分け方
ダイレクトリクルーティングとスカウト採用は、それぞれに適したシーンがあります。
- 採用ターゲットによって使い分ける
- 向いている業種で使い分ける
- 費用・工数を比較する
- 成果スピードを比較する
以上の4点に分けて解説していきます。
採用ターゲットによって使い分ける
ダイレクトリクルーティングは、転職潜在層や希少スキル人材の発掘に強みがあります。 一方、スカウト採用は、すでに転職意欲がある顕在層や即戦力を短期で採用したい場合に適しています。
例えば、ITエンジニアやデータ分析職など競争率が高い人材にはダイレクト型が有効ですが、営業職や事務職など広く募集する場合はスカウト型の効率が高いケースもあります。
費用・工数を比較する
費用面では、ダイレクトリクルーティングは媒体利用料が主で、採用単価を抑えやすいですが、社内工数が増えます。
スカウト採用は、媒体・エージェント手数料や成功報酬が発生するため単価は上がりますが、社内工数は抑えられます。 つまり、コストを抑えたい場合はダイレクト型、社内リソースを節約したい場合はスカウト型が向いています。
成果スピードを比較する
ダイレクトリクルーティングは候補者の発掘から関係構築まで時間を要するため、成果が出るまでに数か月かかることもあります。
スカウト採用は、媒体やエージェントのデータベースを即利用できるため、短期間で面談設定や採用が可能です。 採用期限が迫っている案件ではスカウト型が有利ですが、長期的な採用計画ではダイレクト型が効果的です。
向いている業種で使い分ける
ダイレクトリクルーティングは、専門性の高い職種や経営幹部候補など、狭いターゲット層へのアプローチに向いています。
一方、スカウト採用は、幅広い候補者が存在する職種(販売、営業、カスタマーサポートなど)で成果を出しやすい傾向があります。 また、外資系やスタートアップではダイレクト型、大企業や大量採用ではスカウト型を活用するケースが多いです。
ダイレクトリクルーティングを成功させるポイント
ダイレクトリクルーティングを効果的に活用するには、やみくもにスカウトを送るのではなく、戦略的な運用が欠かせません。
- 理想とする人材像を明確にする
- 訴求力のあるスカウト文面を作成する
- スピーディーなレスポンスを行う
- 媒体ごとの登録者層を理解する
- PDCAによる改善を行う
ここでは、成果を最大化するための5つのポイントを解説します。
以上の5点を解説していきます。
理想とする人材像を明確にする
採用活動の第一歩は、求める人物像の定義です。 スキル・経験・資格といったハードスキルだけでなく、価値観や働き方の志向性などソフトスキル面も具体的に設定します。
これにより、検索条件の精度が高まり、不要なアプローチを減らすことができます。
訴求力のあるスカウト文面を作成する
候補者がスカウトに応じるかどうかは、文面の魅力に大きく左右されます。 特に冒頭文で「なぜこの人に声をかけたのか」を明確にし、企業のビジョンやポジションの魅力を具体的に伝えることが重要です。
また、候補者の経歴に基づいたパーソナライズを行うことで返信率が向上します。
スピーディーなレスポンスを行う
返信があった候補者には、できる限り迅速に対応します。 返信の遅延は、他社への流出や候補者のモチベーション低下につながります。
即日~2営業日以内のレスポンスを目標にし、スケジュール調整や面談案内まで一気通貫で行うことが望ましいです。
媒体ごとの登録者層を理解する
各媒体には、それぞれ特徴的な登録者層があります。 例えば、LinkedInはグローバル志向や高度専門職に強く、BizReachは管理職・ハイクラス人材が多い傾向です。
媒体の特性を理解した検索・アプローチを行うことで、より的確な人材を獲得できます。
PDCAによる改善を行う
送信数や返信率、面談化率などの指標を定期的にモニタリングし、改善施策を実行します。 例えば、返信率が低い場合は文面や送信タイミングを見直し、面談化率が低い場合は面談内容やクロージング方法を改善します。 この継続的な改善プロセスが、長期的な成功につながります。
【4選】おすすめのダイレクトリクルーティングサービス
ダイレクトリクルーティングを成功させるには、ターゲット層に合った媒体の選定が欠かせません。
ここでは、企業の採用担当者に人気の高い4つの主要サービスを紹介します。
- ビズリーチ
- Wantedly
- AMBI
- doda ダイレクト
これら4つを紹介していきます!
ビズリーチ
ビズリーチは、ハイクラス・経営層・専門職採用に強い国内最大級のダイレクトリクルーティングサービスです。
出典:)「ビズリーチ 」
特徴
- 会員の約3分の1が年収800万円以上
- 管理職・CxO候補の採用に強い
- 詳細な検索条件で候補者を絞り込み可能
- 職務経歴書自動解析機能搭載
- 文面改善などの運用サポートあり
費用
- 初期費用:30万円〜
- 月額利用料:12万円〜(契約期間により変動)
- 成功報酬:採用者年収の15〜20%
- 無料トライアル:なし
Wantedly
出典:)「Wantedly 」
特徴
- 20〜30代前半の若手層が中心
- スタートアップ・成長企業での利用多数
- 求人よりも企業ストーリー重視
- SNS感覚で候補者と交流可能
- 採用ブランディングに強い
費用
- 初期費用:0円〜
- 月額利用料:3万円〜15万円(プランによる)
- 成功報酬:なし
- 無料プランあり
AMBI
出典:)「ANBI 」
特徴
- 第二新卒〜社会人経験10年未満が中心
- 成長企業や外資系求人多数
- 志向性・希望業界から候補者検索可能
- 高意欲な若手人材が多い
- 掲載求人数は常時3,000件以上
費用
- 初期費用:0円〜
- 月額利用料:10万円〜(プランにより変動)
- 成功報酬:採用者年収の15〜20%
- 無料トライアルなし
doda ダイレクト
出典:)「dodaダイレクト 」
特徴
- 全国の候補者データベースを活用可能
- 採用初心者でも使いやすいUI
- 志向や希望条件が見やすいプロフィール表示
- 面談日程調整機能を標準搭載
- 地方採用や大量採用にも対応可能
費用
- 初期費用:10万円〜
- 月額利用料:8万円〜(契約期間により変動)
- 成功報酬:なし
- 無料トライアルあり(期間限定)
ダイレクトリクルーティングとスカウトの違いについてよくある質問(FAQ)
ダイレクトリクルーティングとスカウトの違いについてよくある質問をまとめました。
ダイレクトリクルーティングとスカウトの一番大きな違いは?
ダイレクトリクルーティングは企業が候補者選定から直接行うのに対し、スカウトは媒体やエージェントを介して候補者へアプローチします。
どちらの方がコストを抑えやすい?
一般的にダイレクトリクルーティングの方が媒体利用料が主で、採用単価を抑えやすいです。一方スカウトは成功報酬などが発生しやすく、コストは高めです。
採用スピードが早いのはどっち?
スカウトの方が既存データベースをすぐ使えるため短期間で採用に至る可能性が高いです。ダイレクト型は候補者発掘から時間を要します。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本記事では、「ダイレクトリクルーティング」と「スカウト採用」の違いについて、定義や採用フロー、メリット・デメリットを比較しました。
ダイレクト型は候補者選定から直接行えるため、希少人材の発掘や採用単価の抑制に強みがあります。一方、スカウト型は媒体やエージェントの支援を受けられるため、短期間で採用に至りやすく、運用負荷も軽減できます。
それぞれの特性を理解し、自社の採用ターゲットやリソース、採用期限に合わせて使い分けることで、より効果的な採用活動が可能になります。
本記事を参考に、自社に最適な採用手法を検討し、成果につなげていきましょう。
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