株式会社uloqo 採用ミスを防ぐ7つの方法|企業内部の7つの要因を解説

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2024-06-30

採用ミスを防ぐ6つの方法|企業内部・外部の要因を解説

(株)uloqo 代表取締役 関川 懸介

この記事の監修者:(株)uloqo 代表取締役 関川 懸介

採用ミスを防ぐ6つの方法 企業内部・外部の要因を解説

採用ミスとは、企業が求めていた人材と異なる人材を採用してしまうことです。採用ミスに悩まされている方も多くいらっしゃるかと思います。

 

採用ミスに悩む担当者の方々の中には

・そもそも採用ミスとは何か?

・採用ミスが起きると何がまずいのか?

・採用ミスへの解決策は?

など、さまざまな疑問や不安を抱えているかと思います。

 

本記事では、これらの疑問に答えるべく、採用ミスが発生する要因やそれに対する解決策を詳しく解説していきます。

そもそも採用ミスとは何か?

「採用ミス」とは、企業が人材採用活動の過程で誤った判断を下してしまい、本来求めていた能力やスキルを持つ人材とは異なった人材を採用してしまうことを指しています。

 

このようなミスが発生すると、採用された人が業務に適応できず、最終的には退職に至ってしまうことが往々にしてあります。採用ミスが継続的に繰り返されてしまうと、企業の信頼性やブランドイメージなどに悪影響を及ぼす可能性があるため、十分な注意が必要といえるでしょう。

 

採用ミスは主に以下の2つのケースに分類されます。

  • スキルにおけるミスマッチ
  • 企業文化におけるミスマッチ

 

スキルにおけるミスマッチ

スキルのミスマッチとは、採用した人材が業務に必要なスキルや能力を持っていないことを指しています。スキルは「ハードスキル」と「ソフトスキル」の2つに分類することができます。

ハードスキル

ハードスキルのミスマッチは、業務に直接的に関連している専門知識や技術が不足している場合に起こると考えられます。特に以下の職種の場合はよりミスマッチがおきやすいといえます。

 

  • セキュリティエンジニア
  • データサイエンティスト
  • マネジメント職
  • コンサルタント

 

例えば、セキュリティエンジニアを採用したが、実際には求められるプログラミング言語を扱えないケースなどもあります。候補者のポテンシャルを重視して採用したというケースにおいても、業務スピードに追いつけないとミスマッチが発生してしまうといえます。中途採用の場合だと、即戦力を期待しているため、期待する能力がないと明確な採用ミスとなるでしょう。

ソフトスキル

ソフトスキルのミスマッチは、選考時に見抜けなかった場合によく発生してしまいます。ソフトスキルは、以下のような個人のパーソナリティや対人に関連している能力のことをいいます。

 

  • 忍耐力
  • 勤務態度
  • コミュニケーションスキル
  • リーダーシップ

 

これらが不足していると、チーム内での協力が非常に難しくなり、採用ミスとなってしまいます

企業文化でのミスマッチ

企業文化とのミスマッチは、採用ミスの中でも特に深刻な問題だといえるでしょう。企業文化には体育会系であったり、職人気質、ベンチャー気質など、様々なタイプがあるといえます。企業文化に適応できない人材は、働きづらさを感じるだけでなく、企業の理念に反する行動をとることとなる可能性があり、企業のイメージ低下を招くことがあります

 

企業文化への適応には多くの時間がかかりますが、それでも適応できない場合は改善が困難ともいえるでしょう。したがって自社の文化に適合しないと判断される応募者に関しては、どんなに優れたハードスキルを持っていても採用を見送るべきだと考えられます。

採用ミスによって生じる3つの問題

採用ミスが発生すると、ミスから派生して企業に様々な問題を生じさせます。主に3つあります。

 

  • 早期離職でコストが肥大化する
  • 既存社員の負担増加
  • 企業評判の悪化

早期離職でコストが肥大化する

1点目は、早期離職でコストが肥大化することです。採用ミスにより早期に離職されると、具体的には以下のようなコストが無駄にとなってしまいます。

 

  • 採用活動費(人材紹介料、求人広告掲載料など)
  • 研修費用(外部講師委託費用など)
  • 離職者への給与

 

さらに、早期離職によって空いた人材を埋めるために、新たな人材の採用と研修に追加のコストが発生します。

既存社員の負担増加

2点目は、既存社員の負担増加です。採用ミスにより、職場の雰囲気が悪化し、既存の社員との対立が生じることがあります。

 

とりわけ早期離職が発生することによってプロジェクトの人員不足が生じるケースは多々あります。人員不足は既存の他社員の業務負担を増加させます。これによって、生産性の低下や組織全体のエンゲージメントの悪化が引き起こされるというリスクがあります。

企業評判悪化

3点目は企業評判の悪化です。頻繁な人材の入れ替わりにより、取引先の企業からの信頼が低下してしまう可能性があります。

 

また、企業の離職率が高いと、「この企業は働きにくいのではないか」と求職者に対し印象を与え、優秀な人材が応募を避ける原因となってしまいます。さらに、早期に退職した人材が企業の悪い評判を広めることによって、企業の評判を損ない新たな人材の採用が難しくなるリスクも孕んでいます。

採用ミスが生じる外部要因

採用ミスが生じる企業外部における要因は何でしょうか。主に3つ挙げられます。

  • 労働人口減少による採用スピードの急速化
  • グローバル化による外国人人材の増加
  • リモート面接の増加で適切な評価が難化

労働人口減少による採用スピードの急速化

1点目は労働人口減少による採用スピードの急速化です。少子高齢化や人口減少の影響によって労働人口は年々減少してきています。この結果として、多くの企業においては労働力の不足に直面しており、迅速な人材確保が求められるようになってきております。

 

例えば、多くの企業では優秀な人材を確保することを目的として、求職者に対して迅速に内定通知を出す傾向があります。採用プロセスを短縮化することによって、候補者が他社に流れるリスクを減らす狙いがあるのです。

 

しかし、この短期間での採用フローでは、候補者を十分に理解する時間を取るのが非常に難しいです。とりわけ、ソフトスキルの評価が不十分になることが多くあります。そのため、結果として現場で働くスタッフとの適合性を評価する機会が不足し、採用ミスが発生するリスクが高まってしまうのです。

グローバル化による外国人人材の増加

2点目はグローバル化による外国人人材の増加です。現代のビジネス環境では、足元でグローバル化の進展が急速化しており、多様な文化的なバックグラウンドを持つ人材が増えています。例えば、日本国内の企業でも外国人労働者が増加し、異なる文化を持つ人材が企業に新しい視点や幅広い技能を提供しているのです。

グローバル化

画像引用元:外国人労働者の数を確認 これまでの推移、アフターコロナの動向は?

しかし、文化的な違いや価値観の相違から、職場でのミスマッチが発生しやすくなっています。異文化に対する理解が不足している場合や、社内コミュニケーションのギャップが原因で、採用後に適応が難しくなるケースが増えています。これにより、採用ミスや早期退職のリスクが高まります

リモート面接の増加で適切な評価が難化

3点目はリモート面接の増加で適切な評価が困難なことです。昨今では、リモートワークが普及し、採用プロセス全体がオンラインに移行するケースも増えています。オンライン面接では、対面面接と比べて候補者のボディーランゲージや表情、姿勢といった非言語的な情報(ノンバーバルコミュニケーション)を読み取ることが難しく、人柄や態度を正確に評価するのが困難です。

テレワーク推移

画像引用元:テレワークについて「導入状況の推移」

オンライン面接はインタラクティブな交流が限られるため、候補者のコミュニケーションスタイルや対人スキルを評価するのが難しくなります。結果として、採用ミスが発生する可能性が高まります

採用ミスが生じる内部要因とその解決策

採用ミスが生じる企業内部における要因はどのような要素が挙げられるのでしょうか。主に6つあります。

 

  • 現場社員と人事で人材要件が異なる
  • 面接官が不適切な評価を行っている
  • 企業文化とのマッチ度を適切に評価していない
  • リファレンスチェックが不十分である
  • 時間やリソースの不足
  • 求人広告が魅力的でない

現場社員と人事で人材要件が異なる

1点目は現場社員と人事で人材要件が異なることです。現場(各部署)と人事部門で求める人材像が一致していないことが原因で、採用ミスが発生することがあります。例えば、現場側は業務を円滑に進めるために、具体的なスキルや経験を持った人材を求めることが多いです。一方で、人事側は企業文化や価値観に合うかどうか、将来的な成長ポテンシャルなどを重視する傾向があります。これにより、現場が求めるスキルセットを持っていないが、企業文化には合う人材が採用され、現場での実務において力を発揮できないことが発生します。

採用ペルソナを各部署間で調整し、定義する

採用ペルソナを作成することで、現場と人事部門が求める人材像を具体的に定義し、採用基準を明確にします。具体的なステップとして、まず現場と人事が共同で必要なスキルや経験、性格特性、業務における役割を具体的にリストアップします。次に、定期的なミーティングを行い、候補者の評価基準や選考状況について情報を共有します。これにより、現場のニーズや変更点についても議論し、必要に応じて採用基準を更新することができます。例えば、IT企業では、エンジニアの技術スキルに加えて、プロジェクト管理能力やコミュニケーションスキルも重視するペルソナを作成し、両部門が共通の基準で候補者を評価することが効果的です。

面接官が不適切な評価を行っている

2点目は面接官が不適切な評価を行っていることです。

面接官トレーニングの実施

面接官のトレーニングは、採用プロセスの品質を向上させるために欠かせません。具体的なトレーニング方法として、以下3つのような手法があります。

 

  • 研修やセミナーの実施
  • 模擬面接の実施
  • フィードバックの提供

企業文化とのマッチ度を適切に評価していない

3点目は企業文化とのマッチ度を適切に評価していないことです。企業文化やチームの価値観に合わない人材を採用してしまうことも、採用ミスの原因となります。企業文化に適応できない人材は、入社後に働きづらさを感じ、早期退職するリスクが高まります。例えば、スタートアップ企業で迅速な意思決定や高い自主性が求められる環境に、安定志向が強く指示待ちの傾向がある人材を採用してしまうと、文化的なミスマッチが発生しやすくなります。

企業文化を具体的に伝える

企業文化や価値観を具体的に伝えるための施策として、以下2つの方法があります。

 

  • オリエンテーションや企業説明会:採用プロセスの初期段階で、企業のミッションやビジョン、価値観について詳しく説明します。また、実際の業務環境やチームの雰囲気を伝えるために、オフィスツアーや社員との交流イベントを実施します。
  • カルチャーフィット面接の導入:通常の面接に加えて、企業文化や価値観への適応度を評価するカルチャーフィット面接を導入します。この面接では、候補者の価値観や行動スタイルが企業文化と合致しているかを確認します。例えば、企業が重視するコアバリューについて質問し、それに対する候補者の考え方や行動を評価します。

 

リファレンスチェックが不十分である

4点目はリファレンスチェックが不十分であることです。リファレンスチェックを行わず、候補者の過去の職歴や実績を十分に確認せずに採用することが、採用ミスの一因となります。例えば、候補者が履歴書や面接で話した内容が事実と異なる場合、入社後に期待されたパフォーマンスを発揮できないことがあります。

徹底したリファレンスチェックの実施

リファレンスチェックを徹底するための方法として、以下の手法が効果的です。

 

  • 複数のリファレンスから情報を収集する:候補者が提供するリファレンス先(前職の上司や同僚など)から情報を収集し、複数の視点から候補者の実績や人柄を評価します。これにより、偏った情報に基づく判断を避けることができます。
  • 具体的な質問を用意する:リファレンスチェックの際には、具体的かつ詳細な質問を用意し、候補者の職務内容やパフォーマンス、チームとの協働について詳しく確認します。例えば、「候補者はどのようなプロジェクトに参加し、どのような役割を果たしましたか?」や「候補者の強みと改善点は何ですか?」といった質問を行います。

backcheck

バックチェック

画像引用元:https://site.backcheck.jp/

また最近では、backcheckなどのオンライン型のリファレンスチェックサービスを利用する企業も増加傾向にあります。オンライン型リファレンスチェックサービスの「back check」では、採用候補者の働く姿を現職や前職の上司、同僚からのヒアリングレポートにより可視化することができます。

面接において候補者自身による自己PRや志望動機だけから判断するだけではなく、第三者による客観的な評価を知ることができて、入社後のミスマッチを減らすことに繋がります。

時間やリソースの不足

5点目は時間やリソースの不足です。採用プロセスに十分な時間やリソースを割けないことも、採用ミスの原因となります。忙しい採用担当者や人事部門が、短期間で多くの候補者を選考する必要がある場合、十分な評価が行えず、ミスマッチが発生するリスクが高まります。

採用プロセスの効率化とリソースの確保

採用プロセスを効率化し、リソースを確保するための方法として、以下の手法があります。

 

  • 採用管理システムの導入:ATS(Applicant Tracking System)などの採用管理システムを導入することで、候補者の情報を一元管理し、選考プロセスを効率化します。これにより、選考の進捗状況をリアルタイムで把握でき、迅速な意思決定が可能となります。
  • 外部リソースの活用:リクルートエージェンシーやヘッドハンターなど、外部リソースを活用して、採用活動を支援してもらいます。これにより、社内のリソースを節約しつつ、専門的な知識とネットワークを活用した効果的な採用が実現できます。

求人広告が魅力的でない

6点目は求人広告が魅力的でないことです。求人広告が曖昧で具体性に欠ける場合、候補者が職務内容や期待される役割を誤解し、採用後にミスマッチが発生するリスクが高まります。例えば、求人広告に「柔軟な対応ができる方」とだけ記載している場合、具体的な業務内容や求められるスキルが明確でないため、候補者が自分に適したポジションかどうか判断できません。

詳細で明確な求人広告を作成する

詳細で明確な求人広告を作成するための方法として、以下の手法があります。

 

  • 具体的な業務内容の記載:求人広告には、具体的な業務内容や役割、求められるスキルセットを詳細に記載します。例えば、「このポジションでは、プロジェクト管理やチームのコーディネーションを担当し、具体的には〇〇プロジェクトの進行管理を行います。」といった具合に具体的な情報を提供します。
  • 求める人物像の明確化:求める人物像についても具体的に記載し、候補者が自分の特性や経験が該当するか判断しやすくします。例えば、「このポジションでは、問題解決能力が高く、チームでの協働が得意な方を求めています。」といった具体的な記載を行います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

本記事では、

・そもそも採用ミスとは何か?

・採用ミスが起きると何がまずいのか?

・採用ミスへの解決策は?

など、さまざまな疑問や不安を抱えている方に向けて、採用ミスが発生する要因やそれに対する解決策を詳しく解説してきました。ぜひ参考にしてください。

 

(株)uloqo 代表取締役 関川 懸介
この記事の監修者:(株)uloqo 代表取締役 関川 懸介

2016年4月、(株)uloqoを設立。
代表取締役として各領域を管掌。現在も大規模案件のディレクターとして、採用・エンジニア採用・人事評価制度策定支援等に従事。
累計300社以上の支援実績を誇る。大手新聞社やテスト支援会社、フリマアプリ企業をはじめとしたエンタープライズ企業に対する支援実績が中心。採用企画・スカウト・採用広報・組織開発全般・デジタル人材全般に強みを持つ。

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