エンジニアの採用市場は需要が高く、競争が激化しているため、エンジニアの採用の難易度が上昇しています。そこで、エンジニア採用に不安や課題感を抱いている採用担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、
・エンジニア採用代行のメリットやデメリット
・サービス利用の際の注意点
・エンジニア採用代行に依頼できる具体的な業務内容
について詳しく解説します。
採用代行はRPO(Recruitment Process Outsourcing)とも呼ばれ、会社のニーズに応じて、採用業務の代行/支援サービスを行う人材サービスを指します。
その中でも、エンジニア採用代行はエンジニアの採用に特化したサービスに当たります。エンジニアは市場の需要に対して、不足しているため、専門の採用代行サービスが存在します。
採用代行サービスを行う企業は採用業務を委託され、企業が求めるエンジニアの採用を成功へと導くために活動します。
例えば、人事によるエンジニアの評価が難しい企業、採用リードタイムが長く、採用までの時間がかかりすぎている企業は、採用業務の委託を行うことで採用の効率と効果を高めることが可能です。
近年、エンジニアの採用市場は「売り手市場」です。東京ハローワークが公開している「職種別有効求人・求職状況」によると、エンジニアを含むIT技術関連職の有効求人倍率は3.17倍にのぼっています。
エンジニアの中でも専門的な分野やPMなどは、さらに求人の倍率が高いと考えられます。
dodaの「2023年3月発行 職種別マーケットレポート ITエンジニア」によると、エンジニアの中途採用市場における業務系システムエンジニア(SE)の登録者は、30歳以下の登録者が全体の59%を占めており、多くの若者が早い段階からキャリアに関する情報収集をしていることが分かります。
引用元:2023年3月発行 職種別マーケットレポート ITエンジニアhttps://www.saiyo-doda.jp/report/11737
転職希望先としては、以下の職種が人気です
・業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ:48%
・社内情報システム(社内SE):16%
・Webサービス系エンジニア・プログラマ:15%
実際に転職した職種も、希望に近い傾向が見られます
・業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ:58%
・社内SE:25%
エンジニアの転職市場においては、特に業務系アプリケーションエンジニアの需要が高く、若年層の求職者が多くを占めていることがわかります。
エンジニアの採用が困難になる理由として
・人材の評価に専門的な知識やスキルが必要
・求人倍率が高く、競合が多い
以上が挙げられます。
上記の市場背景から、企業の抱えるエンジニア採用課題は
・適切な採用チャネル活用できていない
・人材紹介会社の利用数が足りていない
・採用担当者にエンジニア知見がない
・市場相場と待遇と合っていない
・採用までのリードタイムが長い
・現場エンジニアが採用に関われていない
以上が挙げられます。
・採用計画の策定
・母集団形成
・応募者管理
・書類選考
・選考日程調節
・説明会の実施
・面接代行
・内定後のフォロー
エンジニア採用代行における「採用計画の策定」は、エンジニアの採用を効果的かつ効率的に行うための戦略を立てるプロセスです。この段階では、採用代行会社がクライアント企業と協力して、以下の重要要素を検討し、設定します
・採用目標の設定
・採用戦略策定
・採用プロセスの設計
・採用基準やKPIの設定
採用計画の策定は、エンジニア採用の成功に向けた基盤を築く重要なステップです。採用代行会社がクライアント企業と密接に連携し、戦略的な計画を立てることで、効果的なエンジニア採用を実現します。
エンジニア採用代行における「母集団形成」とは、優秀なエンジニアを採用するための応募者のプール(母集団)を形成する活動です。以下が母集団形成の具体的なプロセスになります。
・採用チャネルの選定
・エンジニアに魅力をアピールするための求人作成
母集団形成は優秀なエンジニアを採用するための基盤となる重要なプロセスになります。エンジニア採用代行会社は、クライアント企業と協力して、最適な採用チャネルの選定やエンジニアに対して魅力的である求人の作成を行い、質の高い人材プールを形成してくれます。
エンジニア採用代行における「応募者管理」とは、採用活動に応募した候補者の情報を一元管理し、効率的かつ効果的に選考プロセスを進めることを指しています。以下が応募者管理の主な業務内容です。
・一元管理の実施
・情報の共有や連絡調整
・候補者とのコミュニケーション
応募者管理は、エンジニア採用プロセスにおいて非常に重要な役割を果たします。エンジニア採用代行会社は、候補者の情報を管理し、適切な選考プロセスを確立することで、優秀なエンジニアの獲得に向けた取り組みを支援します。
エンジニア採用代行における「書類選考」とは、応募者が提出した履歴書や職務経歴書などの書類を審査し、採用基準や要件に合致する候補者を選別するプロセスを指します。
採用代行会社は、クライアント企業と協力して、採用に関する基準や要件を明確に定義します。その際、エンジニアの採用条件と待遇がマッチしているかどうかを確認し、ミスマッチを防ぎます。
また、書類選考は採用フローの中で最も多くの選考人数となるため、効率的かつ迅速に行われる必要があります。そのため、採用代行会社は、自動化されたプロセスや専門的なスクリーニングツールを活用して、大量の履歴書や職務経歴書を効率的に処理し、適切な候補者選別を行います。
エンジニア採用代行における「選考日程調節」とは、面接や試験などの選考プロセスにおいて、候補者と企業側の間で適切な日程を調整する業務を指します。
選考日程の調整は、迅速な対応が求められる業務です。なぜなら、採用を迅速化することは優秀な人材を確保するうえで重要な課題だからです。採用代行会社は、迅速かつ柔軟に候補者と企業側の要望に対応し、選考プロセスのスムーズな進行をサポートします。これにより、候補者の待機時間が最小限に抑えられ、採用プロセスが迅速に進行します。
エンジニア採用にとって説明会は求人の情報を提供するだけでなく、企業の技術力や製品へのこだわりをアピールするために非常に重要です。
具体的な業務としては、会場の設営準備やイベントの告知だけでなく、会社説明会のスライドやプレゼンテーションの作成、案内告知、運営などの代行も可能です。
エンジニアを採用する際の面接代行では、採用基準に則り、企業のニーズを把握した上で、代行会社が面接プロセスをカスタマイズしてくれます。
・エンジニアの採用が行える担当者が少ない
・応募から採用までのリードタイムが長い
・面接官によって候補者の質に差が出ている
このような企業などにおすすめです。
エンジニアは待遇で会社を選ぶ傾向が強いです。そのため、内定後のフォローの丁寧さが内定辞退率の低下に繋がります。
内定者の入社意思が高そうな場合は入社後に必要な技術スタックや開発環境についての資料を事前に提供し、会社の戦力として重要なことをアピールしましょう。
エンジニア採用代行を利用する際のメリットとデメリットを紹介します。
採用代行サービスのメリットは4つあります。
・専門知識やノウハウの活用ができる
・採用コストが削減ができる
・リソース不足を解消できる
・採用期間が短縮できる
エンジニア採用代行サービスは、エンジニア採用に特化した専門知識や豊富なノウハウを持っています。これにより、効果的な採用戦略の立案や適切な候補者のスクリーニングなどが行われ、採用プロセスが効率化されます。
具体的には、以下のノウハウ活用方法があります。
・エンジニア特化の採用戦略立案
・エンジニア市場のトレンドや最新技術の把握
・エンジニア知見を活かした適切な面接評価
・エンジニア目線での求人作成
このように、エンジニア採用代行は、エンジニア採用に特化したノウハウを活用し、効果的な採用を行えます。
エンジニア採用代行を活用することで、採用コストの削減も行えます。具体的には、以下の方法で採用コストが削減可能です。
・無駄な業務をなくすことによる採用プロセスの効率化
・リソースの最適活用
・採用ミスをなくすことによる追加コストの軽減
エンジニア採用代行サービスは、豊富な経験と専門知識を活用して、採用プロセスを効率化し、採用プロセスの時間やリソースの浪費を最小限に抑えることができます。また、専門家が候補者をスクリーニングし、最適な候補者を選定することによって、採用ミスのリスクを軽減することができます。そのため、採用失敗によるリソースの無駄や再採用にかかるコストを削減することができるのです。
エンジニア採用代行を活用することでリソース不足も解消可能です。具体的には、以下の方法でリソース不足を解消できます。
・スキルの不足を補う
・時間の節約
・単純な業務代行の肩代わり
とりわけ、エンジニア採用においては、エンジニア特化の採用ノウハウが必要不可欠となります。そのため、エンジニア採用の知見がないという点でリソースが不足している会社のサポートが可能となります。また、採用代行会社は、採用業務を効率化するためのナレッジを所有しているため、時間の節約という面でリソース不足解消に役立ちます。
エンジニア採用代行サービスは、迅速な採用をサポートすることが期待されます。専門知識や広範なネットワークを活用して、適切な候補者を早期に特定し、迅速に採用プロセスを進めることができます。具体的には、以下の方法で採用期間短縮を行います。
・効率的な候補者スクリーニング
・迅速な面接スケジューリング
・効果的な候補者へのフォローアップ
エンジニア採用の専門家が求人広告から面接までのプロセスを迅速に進め、適格な候補者を迅速に評価します。また、面接日程の調整や採用社へのフォローアップを行うことで、採用期間の短縮が可能となります。
採用代行を行う上での3つのデメリットを解説します。
・社内にノウハウが蓄積されづらい
・ソフトスキルの認識齟齬により、ミスマッチの可能性がある
・費用が高額になるケースある
エンジニア採用は専門的な知識やスキルを必要とします。そのため、外部企業に採用活動を委託することで採用活動がブラックボックス化されやすく、自社にノウハウが蓄積されづらいデメリットがあります。
エンジニアの採用活動に重要なポイントとして、スキル評価テストやカルチャーマッチが挙げられます。スキル評価テストの実施方法や面接でのカルチャーマッチの評価の方法について、実際に行われるタイミングで積極的に参加し、自社に存在しなかった技術や知識をドキュメントにまとめて蓄積することが重要です。
ミスマッチを生じさせないために、自社が求める人材について、カルチャーマッチや実務遂行上の必須スキルを採用代行企業と合致させることが重要です。
しかし、エンジニアの採用は状況が二転三転しやすく、迅速な対応が求められます。その間に採用代行企業との間に意思疎通の不都合があり、認識のズレが生じ、ミスマッチが発生する恐れがあります。
エンジニアは人材が貴重であり、採用に必要な時間や工数が増加する傾向にあります。そのため、エンジニア採用は元の単価が高く、必要な人数の採用できない期間が継続すると費用が高額になるケースがあります。
エンジニア採用代行サービスを利用する際は、業務内容や実施期間を明確にし、昇給が決まる4月や10月の転職を検討する時期に、焦点を当て採用活動を行うことで、費用を抑えることが可能です。
エンジニアの採用代行を委託する際に、どのような選定軸にてサービスを選択すれば良いかを紹介します。主に4点あります。
・自社の採用ターゲット層に対して採用実績があるか
・自社が希望する業務の委託が可能か
・自社のルールに則った情報の共有方法、頻度へ適応可能か
・費用とサービスの質の妥当性があるか
エンジニアの採用における実現可能性が高いサービスを選定するには、まずそのサービスの実績を確認することが重要です。
過去にエンジニアの採用支援を行った事例のあるサービスは、エンジニア採用に関するノウハウを持っていると考えられます。したがって、その実績を確認することで、サービスの信頼性や顧客満足度を評価することができます。さらに、リピート率も重要な指標であり、顧客が継続してそのサービスを利用しているかどうかを把握することができます。
自社が求めるエンジニアの採用を確実に実現するためには、エンジニアと一言で表しても、システムエンジニアやプログラマーなど、職種は多岐にわたります。したがって、自社の事業内容や、IT・Web業界などへのノウハウの有無が重要になります。
エンジニアとの連携をスムーズに行うためには、専門スキルや言語などについて理解のある担当者が望ましいです。そのため、適切なサービスを選択する際には、各エンジニア職種に対する豊富な知見を有していることも重要です。
進捗報告や状況の共有方法、契約書の締結方法、各業務の対応方法についてなど、採用代行サービスと自社のルールが統一されることで、採用プロセスのリードタイムを削減することが可能です。
加えて、採用条件の認識にずれが生じたりし、トラブルになるケースもあるため、ルールの確認は重要です。
採用代行サービスはコア業務を委託する場合に最低の契約期間が長く、高額になる傾向があります。その上、サービスの質は、会社のケイパビリティに依存します。
費用対効果を良くするためにも、アサインを想定しているエンジニア採用代行との意思疎通具合を把握し、不安を感じる場合には別のサービスを利用するようにしましょう。
エンジニア採用代行に委託する費用と受けられるサービスの質が釣り合うように採用代行会社を選定することが重要です。
サービスを利用する際に、採用代行サービスを適切に活用するためにも、企業が事前に注意するべき2つのポイントを解説します。
採用代行を導入すると、業務負担の軽減や効果的な採用の実現といった多くのメリットがあります。しかし、その一方で、自社に採用ノウハウが蓄積されず、将来的に自社のみでの採用が難しくなるといったデメリットも存在します。
そのため、採用代行の導入を成功させるには、「なぜ導入するのか」や「どの課題を解決するために導入するのか」といった明確な目的を持つことが重要です。
事業計画は中長期の視点で策定している一方で、人材計画については充分に検討されていない事例が多く見受けられます。
特に、エンジニアの人材は基本的に不足している状況が多く、短期的な人員確保に焦点を当てがちです。しかし、人員が増加すると、プロジェクトを統括するマネージャーが不在となり、結果的に業務遂行に遅延が生じることもあります。
事業計画と同様に、効率的な組織運営のための体制を考慮し、どの順序でどの人材を採用するかを、事業側や経営層と採用代行会社で事前に共有することが重要です。
エンジニアを採用するためにおすすめの採用代行サービスを5つ紹介します。
引用元:https://digireka-hr.jp/enjinia_saiyo_lp/
引用元:https://hear-rpo-lp.com/page
引用元:https://company.prorec.biz/
エンジニア採用代行は、企業がエンジニアを効率的に採用するための支援サービスです。高い専門性やノウハウを活用し、採用計画の策定から内定後のフォローまで、多岐にわたる業務をサポートします。
サービス選定時には、目的を明確にし、自社の採用ターゲットや業務委託の可否、情報共有の適合性、費用対効果を慎重に検討することが重要です。
エンジニアの採用に不安や火災を抱えている方に向けて「エンジニア採用代行」を紹介しました。ぜひ参考にしてください。