採用代行の中でも、最も工数とコストを要する業務が面接です。そのため、面接関連業務を部分的にでも委託したいと考える企業は少なくないでしょう。
本記事では、
・面接代行サービスの概要
・依頼可能な業務範囲
・メリット・デメリット
・依頼時のポイント
について詳しく解説します。
面接代行の利用に伴う費用や評価基準の策定方法を理解し、自社に最適な面接代行サービスを選定するための参考としてください。
面接代行(アウトソーシング)とは、企業の面接やそれに関連する業務を代行するサービスのことです。多くの場合、採用代行サービスの一部として提供されます。
さらに、面接だけでなく面談の代行を依頼可能なサービスも存在します。「面接」は候補者を選考することが目的ですが、「面談」や「カジュアル面談」は、企業と候補者が互いの情報を共有し、相互理解を深めることを目的としています。
面接代行サービスは、企業の負担を軽減するだけでなく、通常対応できない曜日や時間にも応募者への対応や面接が可能です。これにより、対応時間が短縮され、応募者の離脱率が低下し、結果的に採用コストの削減に寄与します。
面接代行サービスに依頼できる業務の範囲について説明します。一般的な業務内容と流れは以下の通りです。
1.クライアントとのターゲットの確認
2.質問内容・評価基準の策定
3.面接の実施
4.面接のレポーティング
※面接官のトレーニング
採用ターゲットの要件を確認するために、企業とヒアリングを行います。
例えば、以下が挙げられます。
・採用ポジション
・企業のカルチャー
・活躍する社員の特徴
企業は、代行会社と採用ターゲットの要件を確認し、採用市場とのギャップがある場合にはターゲットを調整します。この情報を面接代行担当者と適切に共有することで、ミスマッチを防止することができます。
採用ターゲットや条件に応じて、評価に適した具体的な質問を設定します。また、客観的に評価を行うために、各質問に対する評価基準を策定します。
必要に応じて、一般的な面接質問から、クライアント企業の特有な質問やケーススタディなど様々なタイプの質問のノウハウを提供してもらえます。
担当者ごとの評価基準のズレを避けるためにも、ターゲット設定から評価基準の策定までを一貫して行うことが重要です。
面接内容を決定した後、応募者との日程調整、面接の実施、合否の連絡、フォローアップまでの一連の業務を代行します。サービスによっては、録画面接、集団面接、グループワークなどの形式での選考も依頼可能です。
ただし、企業にマッチする社員を適切に評価するため、一次面接のみを委託し、二次面接や最終面接は自社で対応するケースが多いです。大量の候補者の選考は委託し、自社で対応可能な人数まで絞り込むとよいでしょう。
あらかじめ設定された評価基準に基づいて応募者を評価し、企業に報告します。面接代行サービスが合否を決定する場合もあれば、報告を基に企業の採用担当者が採否を決定する場合もあるため、事前に調整しておくことが重要です。
面接のレポートは、今後の面接の改善や選考材料として重要な資料になります。また、個人情報が含まれるため、適切な管理が必要です。
面接代行サービスの中には、面接官トレーニングを提供するものもあります。プロフェッショナルな担当者から、候補者とのコミュニケーション方法、質問のテクニック、評価方法などを学ぶことで、自社の採用力を向上させることができます。
面接代行は、多くの場合、採用代行サービスの一部として提供されるため、料金体系も類似しています。
月額制では、通常1ヶ月や3ヶ月といった一定の期間単位での契約を行い、月ごとに支払いを行います。サービスによっては、初期費用が必要なケースがあります。
面接関連業務のみを委託する場合、月額10万円程度から利用可能です。採用業務全体を委託する場合には、月額40万円以上が一般的です。
長期的な目線でのノウハウやスキルを獲得できるため、コア業務を委託する際に、月額制のサービスは有効です。
従量課金制では、依頼した業務の量に応じて料金を支払います。月額制と比べて、最低契約期間が短く、初期費用がかからない場合が多いです。
採用代行サービスの一部として提供される場合、必要のない業務もパッケージに含まれることがあり、余分なコストがかかることがあります。しかし、従量課金制では、面接代行や関連業務だけを委託することができるため、コストを抑えることが可能です。
費用は以下が一般的な料金です。
・面接日時設定:5万円~/月
・面接実施:1万円~/回
・応募者への合否連絡:2万円~/月
・次回の面接日時設定:2万円~/月
面接代行を利用する際のメリット・デメリットについて解説していきます。
面接代行のメリットは以下が挙げられます。
・採用リードタイムを大幅短縮し、採用数・内定承諾数の向上
・面接の可視化・データ蓄積が可能に
・面接工数の削減
面接代行を利用することで、通常企業が対応できない曜日や時間にも応募者対応や面接が可能になります。メールの返信や面接の日程調整までのリードタイムを短縮でき、面接辞退率や内定辞退率を低下させることに直結します。
近年、オンライン面接の増加に伴い、採用のスピードを重視する企業が増えています。リードタイムが長い企業は、求職者にとっての優先度が下がる傾向にあります。そのため、自社で迅速な対応が難しい場合、面接代行は非常に有効な手段となるでしょう。
面接代行サービスは、面接後に適切なレポートを作成することで、面接の可視化を可能にします。これにより、面接評価のデータと雇用後のパフォーマンスを比較することができ、必要な質問の選定に役立ちます。
面接代行では面接に関連する業務も委託が可能であり、オペレーティブな業務の工数を大幅に削減します。
例えば、以下が挙げられます。
・面接の日程調整
・面接の合否通知
・面接後のフォロー
目標採用人数が増加するほどオペレーティブな業務は指数関数的に増える傾向があります。こういった業務を委託することで、一次面接から企業が行うことや二次以降の面接に多くの時間を割り当てることが可能です。
面接代行に依頼した際のデメリットは以下が挙げられます。
・認識の齟齬によるミスマッチが起こる可能性がある
・自社の魅力をアピールすることが難しい
代行会社の担当者が社内に常駐しない場合、連絡手段が電話やメールに限られるため、コミュニケーションが不足し、認識のズレが生じる可能性があります。
そのため、情報共有の頻度を増やし、対面での会議を設けるなど、十分なコミュニケーションを取ることが重要です。特に、ターゲット選定や評価基準のフェーズでは認識の齟齬が出やすいため注意が必要です。
委託する業務範囲が広がるほど、企業と内定者とのつながりは希薄になります。面接などを通じた社員の雰囲気や、企業文化などの魅力付けは社員でなければ難しいです。可能な限り応募者や内定者と対面する業務は自社で賄い、関係性を構築する意識を持ちましょう。
特に、一次面接では、企業が評価するだけでなく、求職者も企業を選んでいることが多いです。一次面接を委託する際は、面接代行会社との事前のすり合わせが非常に重要です。
面接代行サービスを依頼するポイントについて解説します。
面接では、候補者の都合や面接官の都合により、日程調整を中心として変更が発生しやすいです。その際に、候補者へのメール対応や日程調整を迅速に行えるかが重要です。
また、フィードバックを含む評価基準の変更や、新たに面接代行を依頼した際の柔軟な対応も、確認しておくと良いでしょう。
進捗報告や状況の共有方法、各業務の対応方法についてなど、代行会社と自社のルールが統一されることで、リードタイムを削減することが可能です。
加えて、面接の評価基準や認識に齟齬が生じ、ミスマッチが発生するケースもあるため、社内ルールへの統一を依頼するか、情報共有のルールを設定するかを明確にしておきましょう。
委託会社とのコミュニケーション密度によって、採用業務の進み具合が変わります。自社の希望や問題点を正確に伝えることも意識することが大切です。
面接代行の依頼には、面接関連業務のみを委託する場合と、採用全体の業務を委託する中で面接代行も支援してもらう場合があり、それによって費用が大きく異なります。
面接に関わる業務のみを委託する場合には、パッケージプランで案内していない企業を選び、個別に見積内容を調整する企業を選びましょう。また、従量課金制のサービスを提供する企業に委託することでも費用を抑えることが可能です。
採用代行全体の支援を委託する場合には、支援の内容によって費用が大きく異なりますので、自社が問題なく支払える金額で、実績がある企業を選び、適切な運用をすることが重要です。
面接代行サービスを選ぶ際には、
・自社の規模感
・採用したい人材と同職種の支援実績
を確認する必要があります。
面接の手法や質問項目は職種や企業のビジョン・ミッションによって大きく異なるため、すべての面接代行の支援実績が必ずナレッジとして活用できるとは限りません。
採用ターゲットの選定やスカウト文の作成を依頼する場合には、特にその分野での支援実績が重要です。
面接代行を依頼可能なおすすめ企業を4社紹介します。
引用元:https://digireka-hr.jp/enjinia_saiyo_lp/
引用元:https://www.triumph98.com/
引用元:https://one-group.jp/humanresource/
引用元:https://prdaily.jp/service/agency/
面接代行サービスは、企業の面接業務を専門家に委託することで、採用リードタイムを短縮し、面接の可視化や工数削減を実現します。
企業の魅力を伝えるためも求職者とのコミュニケーションが重要なため、面接代行は企業の意図を汲み取った支援を受けられるサービスを選びましょう。