株式会社ミス・パリ様
応募数増加よりも先に離脱率改善へ。ミス・パリがuloqoと進めた、新卒採用における歩留まり改善の仕組み化
全国にエステティックサロンを展開し、美容と健康の領域で40年以上にわたりブランドを築いてきたミス・パリ・グループ。同社は、サロン運営に加え、化粧品・健康補助食品の企画・製造・販売、ミス・インターナショナルの企画・運営、教育事業や美容領域に特化した人材紹介・派遣事業まで、幅広く事業を展開しています。
一方で、事業を支える人材採用、とりわけ新卒採用においては、ここ数年厳しい状況が続いていました。当初、ミス・パリ様からuloqoへいただいたご相談は「応募数を増やしたい」というものでした。しかし、採用活動の数値を確認していくと、単に応募数を増やすだけではなく、選考途中の離脱率を改善することが先決であると見えてきました。
本記事では、ミス・パリ様の採用活動において、uloqoがどのように課題を見立て、学生接点の設計や選考フローの改善を通じて、27卒採用の成果向上を支援したのかを伺いました。
支援のポイント
- 当初の相談は「応募数を増やしたい」。しかし、数値分析により真の課題は選考途中の離脱率だと見立てた
- 母集団形成より先に、学生接点の頻度・内容・タイミングを設計し直した
- 架電・メール・メルマガ・参加確認を、単なる作業代行ではなく歩留まり改善施策として運用
- 27卒では承諾率が10%以上向上。大卒採用数も専門職大学を含めて目標比約120%を達成
Interviewee
株式会社ミス・パリ
矢野 有紗様
人事部 主任
株式会社uloqo
A.M
コンサルタント
美容ではなく、ヘルスケア産業として。理論に裏付けられた美と健康を届ける
A.M:まずは改めて、ミス・パリ様の主要な事業内容や、ビジネスにおける強みについて教えてください。
矢野様:当社は、美容と健康の事業を展開しています。主軸は大きく2つ、エステティックサロンの運営を全国約100店舗で行い、学校法人運営を行っております。また、ミス・パリ プロダクトとして化粧品や健康補助食品の企画・製造・販売、世界三大ミスコンの一つと言われる「ミス・インターナショナル」の企画・運営なども行っています。その他にも、“美と健康の総合商社”として様々な事業を展開しています。
強み・差別化ポイントは、エステティックサロンがたくさんある中でも、私たちは「誰でも通えるサロン」というより、質の高さにこだわっているところです。手ごろさではなく、上質さを大切にしています。第三者機関と連携したエステティックの医学的検証による理論の確立、お客様の声を反映したブランド展開や質の高い自社製品の企画・製造・販売等は、当社ならではの強みだと思います。
A.M:エステティックというと美容のイメージが強いですが、ミス・パリ様としては、健康やヘルスケアの側面も大切にされていますよね。
矢野様:そうですね。エステティックは美容のイメージを持たれがちですが、実は私たちは“ヘルスケア産業”に位置付けられ、予防医療・健康増進の役割を担っています。現在、日本では高齢化や健康意識の向上が進み、健康寿命の延伸が社会課題になっています。その中で、エステティックは現代に必要とされる仕事だと思っています。
また、AIや機械に置き換えられる仕事が増える中で、私たちは自分の手でお客様に喜んでいただくお仕事です。人にしかできない仕事であるという点も、エステティックの良さだと思っています。

矢野様:当社としては、理論に裏付けられた美容と健康をお客様に届けたいという思いがあります。創業時から「理論がわかるエステ」をつくるという考えを大切にしており、教育にも非常に力を入れています。2023年には、日本初の美と健康の4年制大学としてビューティ&ウェルネス専門職大学を開学しました。現在は大学院の設立に向けても進めているところです。
ここ数年、新卒採用には厳しさがあった
A.M:事業や教育への取り組みが広がる中で、採用活動はどのような位置づけにありましたか。
矢野様:正直、ここ数年は新卒採用が厳しい状況でした。数年にわたって採用がうまくいっていないという課題はあったものの、大きく改善できていない状態が続いていました。人事部もマンパワーで採用活動を回している状況でした。
その中で、御社にお力添えいただいた際に、改めてどういう課題があるのか、どのような数字で動いているのかを突き止めました。イベントの方法、学生様とのつなげ方、選考の方法などを大きく変えたのが、27卒採用だったと思っています。
A.M:当社にご相談いただいた当初、採用活動において最も課題に感じていた点はどこでしたか。
矢野様:一番は、来ていただいた方を次のステップへつなげる歩留まりの悪さでした。もちろん、母集団形成、参加率、承諾率など、いろいろな課題はありました。ただ、せっかく来ていただいた学生様が、うまく次のステップへつながらないというところが、私たちの一番の課題でした。それによって、承諾率も一般的な数値に比べ、低い数値だと認識していました。
当初の相談は「応募数を増やしたい」。しかし、真の課題は選考途中の離脱率だった
A.M:もともとは、内定承諾数を増やすために、まず応募数を増やしたいというご相談をいただいていたかと思います。
ただ、当社でヒアリングを行い、採用活動の各数値を確認させていただく中で、選考途中の離脱が非常に大きな課題だと感じました。もちろん、母集団形成を増やすための手立てはありました。一方で、新卒採用では母集団形成チャネルが多軸化しており、追加でコストをかけたとしても、選考途中の離脱率をカバーできるほど大きなインパクトは見込みづらいとも考えました。
そのため、単に応募数を増やすのではなく、まずは既に接点を持てている学生を次のステップへ進めること、つまり離脱率の改善を優先すべきだと判断しました。27卒採用では、まずこの離脱率改善から取り組ませていただいたと記憶しています。
矢野様:そうですね。主には、作業面でお力添えいただいたのがとても助かりました。私たちが電話やメールで対応しきれていなかった部分、手いっぱいでやりきれていなかった部分を、御社に架電や、メルマガを送っていただきました。
メルマガ等定期的なご連絡については、必要と分かっていながらも私たちだけでは手が回らない状況でした。A.Mさんから「この文章はどうですか」とご連絡をいただく都度、「これは今日中にやらなければいけない」と思うようになり、言い方は少し変かもしれませんが、『お尻を叩いていただいた』くらいの感覚で、特に作業面を支えていただいたことは大きかったと思います。
架電・メールではなく、学生接点の頻度と質を設計し直す
A.M:今回意識していたのは、単に架電やメールを代行することではありませんでした。新卒採用では、学生が複数の企業を比較検討しながら、長い期間をかけて意思決定していきます。その中で、企業名を思い出す頻度や、次のアクションに進む理由づけが不足すると、学生は自然に離脱してしまいます。
そのため、どのフェーズで学生が離脱しているのかを確認しながら、フェーズごとに必要な接点を設計していきました。エントリー済みで未予約の学生には予約促進の連絡を行う。予約済みの学生には参加確認の連絡を行う。連絡がつかない学生に対しても、メールやメルマガを通じて、ミス・パリ様の存在を思い出してもらう。単に連絡回数を増やすのではなく、学生が次のステップへ進むための接点を、フェーズごとに設計していくことを重視しました。
矢野様:今回、大切だが手間がかかる部分や、私たちがやりきれていなかった部分をご依頼しました。その結果、各ステップの歩留まりの向上につながりました。連絡がつかなくても、着信履歴が残っていることによって、学生様がミス・パリを思い出してくださることが改めてとても大切だと感じました。
A.M:学生の方々は、就職活動の中で多くの企業と接点を持ちます。その中で、迷いながら情報収集し、意思決定をしていくので、企業名を目にすること、思い出してもらうこと、そして適切なタイミングで次の行動を促すことが非常に重要だと考えています。
数字を見て初めて、どのフェーズで学生が離脱しているかが見えた
A.M:支援を進める中で、自社だけでは気づきにくかった点や、見えていなかった点はありましたか。
矢野様:お打ち合わせをする中で、初めて詳細に分析をした部分がございました。数字を出してみて分かったことはたくさんあり、どのフェーズで学生様が離脱しているのか、どのイベントが効果的なのかなど、これまで細かく見られていなかった部分を、この機会に見ることができました。
A.M:採用活動では、「応募数が足りない」「参加率が低い」「承諾率が低い」といった課題が一括りにされがちです。ただ、実際には、どのフェーズで離脱が起きているのかによって、取るべき施策は変わります。エントリー後に予約されていないのか、予約後に参加していないのか、選考後の次回参加率が低いのか、内定後の承諾率が低いのか。それぞれのフェーズを数字で可視化することで、初めて優先順位を決めることができます。
ミス・パリ様の場合、応募数を増やす以前に、既に接点を持った学生を次のステップへつなげる余地が大きいと判断しました。そのため、離脱率改善を先に実装する方針で進めていきました。

選考フローも、学生にとって「参加する意味」があるものへ
A.M:今回、学生への接点設計だけでなく、選考フローについても一部見直しを行いました。どのような点を変えられましたか。
矢野様:選考に進むためのフックが弱いという課題がありました。そこで、たとえば適性検査など、学生が受けてプラスになるようなものを加えたり、その結果を次に来た方にお伝えしたりするようにしました。
また、今までは選考を「やるだけ」になってしまっていた部分もありました。ただ、選考の中でも学生に成長していただきたい、来てよかったと思っていただきたい。成長した後に、私たちとご縁があれば大変嬉しいと考えました。そのため、一次選考会に来てくださった方には、役員選考会の対策をお伝えするなど、選考だけにならず、次に繋がることに変えていきました。
A.M:新卒採用では、選考フロー自体が学生との重要な接点になります。単に合否を判断する場ではなく、学生が「参加してよかった」と感じられる機会にすることで、企業理解や志望度の向上につながります。今回も、学生が次のステップへ進む理由をつくること、選考を通じてミス・パリ様の人や考え方に触れてもらうことを重視しながら、フローの改善を進めました。
連絡に慣れることで、学生とのコミュニケーションも変わった
A.M:27卒採用では、仕事体験や選考に参加した学生の反応に変化はありましたか。
矢野様:一番変わったのは、連絡が取りやすくなったことです。連絡をしても返ってこないことが、私たちにとってはどうにもできない課題でした。
27卒では、仕事体験に参加する時点から御社に何度もご連絡をしていただいていました。そのため、学生様も連絡に慣れていたと思います。「また連絡が来たから返さなきゃ」と思っていただけるようになり、内定後の連絡に対しても反応が早く、私たちとしても非常に助かりました。学生様が何度も思い出すことで、入社への意識や、やらなければいけないことへの意識も変わってくると思います。
A.M:学生との連絡が取りづらくなると、選考参加率だけでなく、最終的な承諾率にも影響します。今回、早いフェーズから接点を重ねたことで、学生とのコミュニケーション習慣ができ、結果としてその後の選考や内定後フォローにも良い影響があったと考えています。

承諾率は10%以上向上。大卒採用数も目標に大きく近づいた
A.M:27卒採用では、26卒と比較してどのような成果がありましたか。
矢野様:セミナー参加率、選考会参加率等、各フェーズの歩留まりが本当に上がりました。承諾率については、ご支援いただく前と比べて10%以上上がっています。
また、大卒の採用数について26卒では目標に届かなかったのですが、27卒では、グループ内の専門職大学も含めると目標比で約120%達成しました。専門職大学を含めなくても、97%と、非常に嬉しい結果となりました。
A.M:今回の成果は、単に連絡業務の量を増やしたからではなく、どのフェーズで離脱が起きているかを見極め、学生との接点頻度や接点内容を設計し直したことが大きかったと考えています。また、選考フロー自体も、学生にとって参加する意味があるものへと改善していったことで、次フェーズへの移行率や承諾率の向上につながったのではないかと思います。
コンサルタントの質の高さ。そしてスピード感と分かりやすさが信頼につながった
A.M:当社の支援内容や進め方について、印象に残っている点はありますか。
矢野様:まず安心したのは、細やかなご報告やご連絡を随時いただけたところです。弊社で抱える学生様の情報や権限をお渡ししてご支援いただく中で、信頼関係はとても大切です。レスポンスの速さやスピード感、柔軟に対応いただけるところは印象に残っています。
また、正直、A.Mさんのご対応だったから続けられました。本当に分かりやすく、スピード感が合うというのが、私たちとしては大切にしているところです。レスポンスが早く、打ち手も早い。そういうところは信頼できる部分だと思っています。
A.M:ありがとうございます。私たちとしても、スピード感は非常に意識しています。課題があり、それを解決するために施策を行う中で、違うと感じたら同じ内容を続けるのではなく、すぐに別の打ち手へ切り替える。そうした柔軟性を持って対応することを大切にしています。

作業を外に出すことで、人事が学生と丁寧に向き合える時間を増やす
A.M:今後、ミス・パリ様として採用活動をどのように進化させていきたいですか。
矢野様:まだまだ私たちが手でやっているところが多くございます。全国の採用を数名で行っている中で、作業面はうまく効率化していきたいと思っています。ただ、効率化するだけではなく、その分手が空いたところで、学生様に丁寧に対応できるようにしたいです。
学生様から上がる声として一番多いのは、「人に魅力を感じました」というもの。これは私たちの採用における強みの一つだと思っています。だからこそ、人、丁寧さ、品格といった質をもっと上げていけるような作業面の効率化を目指します。
A.M:学生と話していても、ミス・パリ様は働く人や説明会、仕事体験での対応に魅力を感じたという声が多い印象があります。だからこそ、作業に追われてしまうのではなく、人事の方々が本当に向き合うべき学生対応に時間を使える状態をつくることが重要だと感じています。
新卒採用の長期戦では、細やかなフォローの積み重ねが離脱率を左右する
A.M:今回の支援を振り返って、uloqoの支援はどのような採用課題を持つ企業に向いていると感じますか。
矢野様:弊社の経験から言うと、細かいところまで手が行き届かず、それによって学生様への連絡ができなかったり、学生がイベントを忘れてしまったり、参加率や歩留まりに課題を感じている企業様にはぴったりだと思います。
採用代行を通じて、自分たちの手から離れることに不安を感じる企業様もあると思います。ただ、自社でしか分からないことがある一方で、リソースには限界があり、細やかなフォローや丁寧さが欠けてしまいます。
新卒採用は中途採用とは違い、長期戦です。細やかなフォローができないことの積み重ねが、離脱につながってしまうと思います。だからこそ、外にお願いできるところはお願いし、自分たちが社内でしかできないことに注力することが大切だと思います。
A.M:ありがとうございます。新卒採用は年々早期化し、企業側が手をかけたい部分も増えています。一方で、それをすべて自社だけでやりきるのは難しくなっています。
今回のミス・パリ様の支援では、手が回らない作業を代行するだけではなく、学生に対して丁寧に接点を持ち続けること、どのフェーズで離脱しているのかを見極めること、そして学生が次のステップに進みたくなる設計を行うことを重視しました。その結果、承諾率や採用数といった成果につながったと考えています。
まとめ


