その結果、採用で求められる人材も変わっています。手を動かせるエンジニアを継続的に採用するだけでなく、案件先で評価されるコミュニケーション力、上流工程への対応力、リーダー経験、先端領域への関心や経験まで見なければならないケースが増えています。
採用代行を活用する場合も、単なるスカウト配信や応募者対応の外注では不十分です。SESビジネスの構造、営業活動との関係、案件と技術要件の接続、候補者がSESに対して抱く不安まで理解できる会社でなければ、採用成果につながりにくくなります。
SES企業を取り巻く採用環境は変化している
SES企業の採用を考えるうえでは、まず事業環境そのものが変わっていることを押さえる必要があります。人材不足だけが問題なのではなく、採用すべき人材の質や、候補者に伝えるべき魅力の中身が変わっています。
経験者を採れば売れる、だけでは成長しづらくなっている
以前は、一定の開発経験を持つエンジニアを採用し、案件にアサインすることで事業成長を進めやすい時期もありました。しかし現在は、案件側の要求水準も上がり、単純に経験者数を増やすだけでは営業面でも採用面でも成果が出づらくなっています。
とくに大規模なSES事業者では、より上流の工程やコンサルティングに近い領域へサービスを広げる動きが強まっています。採用活動もその変化に連動し、従来の開発経験者だけでなく、顧客折衝、要件定義、PL/PM、クラウド、AI、データ領域に接点を持つ人材の重要性が高まっています。
「量」だけでなく、人材の質と決定率が重要になっている
SES採用では、採用人数を追うこと自体は今も重要です。ただし、今後は単に人数を積み上げるだけでなく、案件に接続できる人材、営業が提案しやすい人材、上流案件にも広げられる人材をどう採用するかが重要になります。
そのため、採用代行会社に求められる役割も変わっています。候補者を大量に集めるだけではなく、書類選考の見立て、面接での見極め、候補者への訴求、内定承諾に向けたクロージングまで含めて、採用活動全体を改善する必要があります。
SESに対する候補者側の見方も踏まえる必要がある
SES企業の採用では、候補者が「案件は選べるのか」「待機時の扱いはどうなるのか」「キャリアが積み上がるのか」「どのような案件に参画できるのか」といった不安を持ちやすい傾向があります。
「プライム案件あり」「ワークライフバランスが良い」「リモート案件あり」といった表現だけでは、他社との差別化は難しくなっています。多くのSES企業が同じような訴求をしているため、自社の本当の強みを具体化し、候補者に伝わる形に落とし込む必要があります。
SES企業が採用代行を活用する主な理由
SES企業が採用代行を活用する理由は、単に採用担当者の工数を減らすためだけではありません。案件獲得、営業活動、技術要件、候補者対応が密接につながるため、採用活動そのものを専門的に設計する必要があります。
エンジニア採用の量と質を両立するため
SES企業では、継続的な母集団形成が必要です。一方で、採用人数だけを追うと、案件に接続しづらい人材や、入社後にミスマッチが起こりやすい人材を採用してしまうリスクがあります。
採用代行を活用する場合は、単なる送信数や応募者数ではなく、書類通過率、面接通過率、内定承諾率、入社後の案件接続まで見据えた運用が必要です。量を担保しながら、人材の質を落とさない設計ができるかが重要になります。
技術要件と案件を紐づけた採用設計が必要なため
SES採用では、「Java経験者」「インフラエンジニア」「クラウド経験者」といった大きな括りだけでは不十分です。どの工程を担当していたのか、どの規模のプロジェクトに入っていたのか、顧客折衝やリーダー経験があるのかまで見る必要があります。
採用代行会社がこの粒度で候補者を見られない場合、候補者数は増えても、営業が提案しづらい、案件に乗らない、現場評価が合わないという状態になりやすくなります。
書類選考・スカウト・エージェント運用の工数が大きいため
SES企業では、候補者数を一定量確保するために、スカウト、エージェント、媒体、応募者対応など複数のチャネルを並行して動かすことが多くなります。その分、書類確認や候補者選定、エージェント対応の工数も大きくなります。
ただし、ここを単純にAIや自動化だけで置き換えるのは現実的ではありません。スキルシートや職務経歴書を読み解くには、技術や工程への理解が必要です。AIを活用して効率化できる部分と、人が判断すべき部分を分けて設計できる会社を選ぶことが重要です。
面接・クロージングまで改善する必要があるため
経験豊富なエンジニアや上流工程人材は、複数社から声がかかります。スカウトやエージェント経由で面接につながっても、面接で魅力を伝えきれなければ内定承諾にはつながりません。
そのため、SES企業の採用代行では、母集団形成だけでなく、面接時に何を伝えるか、候補者の不安をどう解消するか、営業・現場・人事がどの情報を共有するかまで設計する必要があります。
SES企業向け採用代行会社を選ぶ際に見るべきポイント
SES企業が採用代行会社を選ぶ際は、「エンジニア採用の実績があるか」だけでは判断できません。SESビジネスの構造を理解しているか、案件と採用ターゲットを結びつけて考えられるか、技術要件を正しく読み解けるかを確認する必要があります。
| 確認すべき観点 | 見るべきポイント |
|---|---|
| SESビジネスの理解 | 採用人数だけでなく、案件接続・営業提案・単価感まで踏まえて設計できるか |
| 技術要件の理解 | スキルシートや職務経歴書から、担当工程・使用技術・経験の実態を読み取れるか |
| 訴求設計 | 「プライム案件」「リモート可」だけでなく、自社固有の強みを言語化できるか |
| 面接・クロージング | 候補者の不安を把握し、面接で伝えるべき情報やクロージング方針まで設計できるか |
| 横断運用 | 営業・事業部・人事が分断されず、採用活動を横断的に改善できるか |
SESビジネスを理解しているか
最も重要なのは、採用代行会社がSESビジネスを理解しているかです。SESでは、採用した人材がどの案件に提案できるのか、営業が売りやすいのか、技術要件・工程・単価感が案件と合っているのかまで見る必要があります。
採用代行会社がこの構造を理解していないと、候補者数は増えても、事業成果にはつながりません。採用と営業、案件獲得がどのようにつながっているかを理解したうえで、採用ターゲットを設計できる会社を選ぶべきです。
技術要件とスキルシートを読み解けるか
SES採用では、書類選考や候補者選定の精度が非常に重要です。同じ「Java経験5年」でも、実装中心なのか、詳細設計までなのか、要件定義や顧客折衝まで経験しているのかで、提案できる案件は変わります。
AIによる一次的なスクリーニングや整理は有効ですが、最終的には技術・工程・役割を理解したうえで人が判断する必要があります。スキルシートを読めない採用代行会社に任せると、候補者の見立てが粗くなり、結果として営業側や現場側の確認工数が増えてしまいます。
案件と採用ターゲットを紐づけて設計できるか
SES企業の採用では、採用計画と案件獲得計画を切り離して考えるべきではありません。今後クラウド案件を増やすのか、AI・データ領域に広げるのか、上流工程を取りに行くのかによって、採用すべき人材は変わります。
採用代行会社には、現在の案件だけでなく、今後どの領域を伸ばしていきたいのかまで共有し、それに基づいて採用ターゲットを設計できるかを確認しましょう。
SES特有の採用訴求を作れるか
SES企業の採用訴求では、「プライム案件」「上流工程」「ワークライフバランス」「リモート案件」といった表現が使われがちです。ただし、これらは多くの会社が打ち出しているため、それだけでは候補者に刺さりません。
たとえば、AIやXR領域への注力度が高い、特定業界の大手案件が多い、チーム参画比率が高い、営業とエンジニアの連携が強い、評価制度が具体的であるなど、自社固有の強みを掘り下げて訴求に変える必要があります。
面接・クロージングまで改善できるか
SES採用では、候補者が面接で確認したいことが明確です。案件の決まり方、単価と評価の関係、キャリアパス、待機時の扱い、技術研修、営業担当との関わり方など、候補者の不安に対して具体的に答えられる必要があります。
採用代行会社を選ぶ際は、母集団形成だけでなく、面接官向けの情報整理、候補者への訴求設計、内定後のフォローまで支援できるかを確認しましょう。
営業・事業部任せではなく横断的に運用できるか
SES企業では、営業や事業部が採用に強く関わるケースもあります。営業が案件側の情報を持っているため、採用活動に関与すること自体は自然です。
一方で、スカウトやエージェント運用は年々難易度が上がっています。事業部が欲しい人を選定する、営業が必要人材を伝える、というだけでは採用成果にはつながりません。媒体運用、エージェント対応、書類選考、面接、クロージングまでを横断的に見られる体制が必要です。
SES企業が採用代行を導入する際の注意点
採用代行を導入する際は、外部に任せる範囲を決めるだけでなく、採用活動と事業計画をどのように接続するかを整理する必要があります。
採用人数だけを目標にしない
「月に何名採用するか」は重要ですが、それだけを目標にすると、案件に接続しづらい人材や、入社後にミスマッチが起こりやすい人材を採用してしまう可能性があります。
採用人数に加えて、採用した人材がどの案件に接続できるのか、どの技術領域を強化できるのか、営業上どのように提案しやすいのかまで見ることが重要です。
営業・現場・人事の情報を整理して共有する
SES採用では、採用担当者だけでは必要な情報を持ちきれないことがあります。案件の内容、顧客の業界、求められる技術、単価感、営業上の強み、候補者に伝えるべきキャリアパスなどは、営業や現場側が持っているケースも多いです。
採用代行会社に依頼する際は、こうした情報を初期段階で整理し、求人票、スカウト文面、面接時の訴求に反映できる状態にしておく必要があります。
書類選考・候補者選定の基準をすり合わせる
SES採用では、職務経歴書やスキルシートの読み方が成果を左右します。最初の段階で、どの経験を重視するのか、どの工程経験を評価するのか、どの技術領域なら案件に接続しやすいのかをすり合わせておくべきです。
初期運用では、採用代行会社がピックアップした候補者を営業・現場・人事で確認し、ズレがあれば早めに修正することが重要です。
AI活用は前提にしつつ、判断を丸投げしない
スカウト対象の抽出、候補者情報の整理、レポート作成など、AIで効率化できる領域は増えています。ただし、SES採用では、技術要件や案件適合性の判断を完全に自動化することは難しい場面もあります。
AIを使って業務を効率化しながら、技術理解や事業理解が必要な判断は人が担う。この線引きを設計できる採用代行会社であるかを確認しましょう。
uloqoのSES企業向け採用支援
uloqoでは、SES企業の採用課題に対して、単なる採用実務の代行ではなく、事業・案件・採用ターゲットを接続した戦略型RPOとして支援します。
SES企業の場合、採用人数だけを増やしても、案件に接続できなければ事業成果にはつながりません。uloqoでは、技術要件、担当工程、営業上の提案しやすさ、候補者側の不安、競合他社との比較を踏まえ、採用ターゲットと訴求内容を設計します。
また、エージェント運用、スカウト運用、候補者選定、書類選考、面接・クロージング、採用データ分析まで一気通貫で支援します。AIや自動化を活用しながら、技術理解や事業理解が必要な部分は人が判断し、量と質の両方を担保する運用を目指します。
「経験者採用の数を増やしたい」「上流工程に対応できる人材を採用したい」「AI・クラウド・DX領域へ広げたい」「スカウトやエージェント運用の成果が頭打ちになっている」といったSES企業にとって、採用活動全体を見直すパートナーとして活用いただけます。
よくある質問
SES企業が採用代行を利用するメリットは何ですか?
採用担当者の工数削減だけでなく、案件に合うエンジニアの定義、採用チャネルの選定、スカウト・エージェント運用、面接・クロージング改善まで外部の知見を取り入れられる点です。とくに技術要件や案件との接続を踏まえた採用設計が必要な場合は、専門性のある採用代行会社を活用する価値があります。
SES採用では、技術スキルだけを見ればよいですか?
技術スキルだけでは不十分です。使用技術だけでなく、担当工程、顧客折衝経験、チーム体制、プロジェクト規模、リーダー経験、案件との接続可能性まで確認する必要があります。
SES企業の採用代行会社を選ぶ際に最も重要なポイントは何ですか?
SESビジネスを理解しているかです。採用した人材が営業上提案しやすいか、案件に接続できるか、候補者側のSESへの不安をどう払拭するかまで理解していないと、採用活動が単なる応募者集めで終わってしまいます。
AIを使えばSES採用は効率化できますか?
効率化できる部分はあります。候補者情報の整理、スカウト文面のたたき台作成、レポート作成などには有効です。ただし、スキルシートの読み解き、案件適合性、候補者のキャリア志向の判断などは、人による確認が必要です。AI活用と人の判断をどう組み合わせるかが重要です。
まとめ
SES企業の採用は、従来のように経験者を大量に採用するだけでは成果につながりにくくなっています。案件獲得の難化、上流工程・AI/DX領域へのシフト、候補者側のSESに対する見方の変化を踏まえると、採用活動にもより高い設計力が求められています。
採用代行会社を選ぶ際は、エンジニア採用の実績だけでなく、SESビジネスを理解しているか、技術要件やスキルシートを読み解けるか、案件と採用ターゲットを紐づけられるか、面接・クロージングまで改善できるかを確認しましょう。
採用代行を単なるリソース補填として使うのではなく、SES企業の事業成長に必要な人材を採用するためのパートナーとして活用することで、採用活動の成果は大きく変わります。
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